Category : 特集記事/コラム

1日前

チャイナショック~BREXIT 2015-2016との相似形

日経平均のサイコロは昨日までで6勝6敗だが、騰落を〇●で示すと、こうなっている。

〇●〇●〇●〇●〇●〇● 

きれいに騰落が交互に繰り返されている。これを見ると、今日は〇、上昇すると思いたくなるが、果たして日経平均は反発して始まり、寄り付きから30分経過した現在もプラス圏を維持している。

〇●〇●〇●〇●〇●〇●の並びに何か意味があるのだろうか。9分9厘ない。

〇●〇●〇●〇●〇●〇●となったのは偶々で、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇も、●●●●●●●●●●●●も珍しくはない。実際、昨年の秋には16連騰もあった。過去12日間の騰落が〇●〇●〇●〇●〇●〇●となった後、13日目の今日の日経平均が上昇して始まったのは、昨日のNY市場でダウ平均が5日ぶりに反発したからだ。〇●の並び方とは関係ないだろう。

われわれは、ある連続したパターンが起こると、そこに何かしらの意味を見出そうとしてしまう。バスケットボールで連続してシュートを決める選手のことを「やつはHot Hand持っている!」などという。次のシュートもまた入るに違いないと期待する。しかし、フィラデルフィア76ersのある日の試合でデータを分析したところ、3本以上連続してシュートを決めた選手の4投目は外れる確率が5割より高く、逆に3本以上連続してシュートを外した選手の4投目は入る確率が5割より高かった。つまり、平均に回帰するのである。

われわれは、ランダムなものをランダムであると認めるのが苦手である。『ブラックスワン』で有名なニコラス・ナシーブ・タレブは「講釈の誤り」という概念を指摘する。われわれは、本来ランダムな動きに過ぎないものをストーリー(講釈・物語)に落とし込もうとする。因果関係はないのに、たまたま相関がある、なんてことはざらにある。

英国政府の要請で市場改革案をまとめた「ケイ・レビュー」で有名なジョン・ケイはうまいことを言っている。
「ランダムに生まれたデータの中に特定のパターンを探そうとすると、心は温まるが懐は寒くなる。」

過去に何度も同じようなレポートを書いてきた。乱数を発生させてウィナー過程で人為的な株価チャートを描く。それとそっくりな日経平均の動きがたくさん見つかる。そこにいかようにでもトレンドラインを引くことができるし、移動平均との関係を指摘することもできる。100%、偶然によって描かれたチャートでも、極めて「もっともらしい」説明をつけることができる。これが、チャート分析がいかに当てにならないか、ということの証明である。

そうしたことをじゅうぶんわかったうえでチャートの形状についての話をしよう。1カ月前の10/12付ストラテジーレポートではこう述べた。

<今回の米国株安は、早い段階から予見していた。例えば3月7日のレポートでは、マーケットが一度大きく崩れると、完全に底が入るのには時間がかかると述べている。10年前のリーマンショック、3年前のチャイナショックを例に引き、最初の暴落の半年後に2番底を探る動きとなったことを指摘。それに倣えば、今年の秋に2番底模索の展開となるシナリオを提示した。>

暴落があると、それから半年前後で2番底が来る。2015年のチャイナショックのケースでは翌年の2番底は原油安を伴う株価急落であった。
 

WTI原油(ローソク足)とNYダウ平均(折れ線)2015年7月29日~2016年3月1日

出所:Bloomberg

 そして今回もそのパターンになっている。2月の急落に続いて10月に金利上昇によるバリュエーション調整で始まった米国株安は、リスク・パリティのポジション調整といった下げの第2局面を経て、現在は第3局面に入っているという認識だ。この第3局面の背景は原油安である。NYMEXのWTI原油先物は13日まで●●●●●●●●●●●●を記録。サイコロで全敗、12日続落という史上最長の下落となった。

原油先物のカーブを見ると、それほどコンタンゴが強くないので割安感はいまひとつだが、とりあえず年初来安値に並んだところで反発している。ここで原油に下げ止まり感が出れば、米国株も落ち着こう。この先は今月末の米中首脳会談次第だが、将来の交渉「枠組み」で合意との観測も報じられている。期待したいところだ。

しかし、米中首脳会談がポジティブとなり年末にかけて戻りを辿ったとしても、年明けは要注意である。英国のEU離脱交渉の大詰めが待っている。EUとの間で離脱条件の「合意なし」を避けられるかの判断期限は来年1月21日。EU離脱は3月末だ。Hard BREXITの可能性が高まった場合、市場は大荒れとなるだろう。何が起こるかは予想できない。しかし、「何か」が起きた時に市場がどう動くかは予想可能である。ニュースそのものが重要なのではなく、そのニュースに市場がどう動くかが重要だ。

2015年夏のチャイナショックは、2016年の年明けから原油安で2番底模索となった。そしてその5か月後、6月の英国民投票でEU離脱が決まりBREXITショックが起きた。中国不安、原油安、そしてBREXIT。3年前とまったく同じ材料に市場は直面している。市場サイクルは「小回り3カ月、大回り3年」という。オークツリー・キャピタル会長のハワード・マークスは、新刊『市場サイクルを極める』の中で、「この先どうなるかは知る由もないが、いまどこにいるかについてはよく知っておくべきである」と述べている。

1日前

12月決算銘柄の第3四半期決算集計速報 最終版

先月下旬から3月決算銘柄の中間決算発表がスタートしていますが、それと並行して行われていたのが12月決算銘柄の第3四半期決算発表で、12月決算企業は3月決算企業に次いで企業数が多いことから11月に入ってからも数多くの企業が決算を発表しました。そしてその決算発表も14日で終了となったことから今回は東証1部上場企業を対象に11月13日と14日に行われた12月決算銘柄の第3四半期決算発表を早速まとめてみました

13日と14日の2日間で40社以上の東証1部上場企業が決算を発表しましたが、今期も残すところ第4四半期のみとなったこともあって4割の企業が通期の業績予想を見直しています。例えば14日に決算を発表した東海カーボン(5301)では今期4回目となる営業利益の上方修正に踏み切っています。一方で同じく14日に決算を発表した大塚ホールディングス(4578)では医療分野での研究開発費の増加などで通期の営業利益の見通しを下方修正しています。

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国内債券市況コメント(11月15日)

11月15日の国内債券市場:5年債入札を無難に通過   【債券先物】 前日の海外市場ではイタリアの予算問題などを背景に欧米の金利が低下しており、債券先物(12月限)は前日比6銭高の150円90銭でスタート。寄り

2日前

銀行決算後の下落は「買い」か

・銀行決算が出揃った。通期計画利益に対する進捗率は、ほぼ全行が50%以上と無難な内容。特に大手行は、前上期に不調だった手数料の巻き返しや、大口先を含む引当金の戻入益等で全行増益と順調。
・全体に利鞘の低下ペースは落ち着いてきたが、まだ本業の預貸収益は微減が続く。海外の投融資業務も、調達コストの上昇と、外債の損失拡大から、調達力のない地銀等には厳しくなりつつある。
・地銀は引き続き運用難で、スルガの件に端を発した収益物件融資の問題もくすぶる。大手行も運用難は共通の悩みだが、国内外での業容の拡大も期待でき、長期金利も上昇方向にある。決算で材料が出尽くし、還元期待が剥落した結果軟調な銀行株だが、下落局面では拾っていきたい。

銀行上期決算の内容は無難

銀行の19年3月上期決算が出揃った(図表1)。通期利益計画に対する進捗率は、ほぼ全行が50%以上と無難な内容となった。特に大手行では、軒並み60%以上の達成率と順調だった(図表2)。前期不調だった手数料等の巻き返しに加えて、シャープ、東芝等の大口先を含む引当金の戻入益を支えに、全グループで増益となった。

 

 

トップラインは振るわず

一方、地銀の本業収益は振るわない。預貸金の利鞘は、厳しい競争と低金利のため、前年同期比マイナス5bp~6bpと下落が続いている。

もっとも、10bp程度となっていた1年余前からはだいぶ落ち着いてきた印象である。これに対し、貸出は前年比3~5%増加とコンスタントな伸びが続いている。第一地銀の伸びは足元で強まっていることから、来期には預貸収益は下げ止まりそうだ。

預金は全体に堅調な伸びが続いている。特に大手行で強い伸びが続いている一方、第二地銀では前年同期比で下落に転じている。人口減少の影響や都市部の企業の好調で、都市部に預金が流入している可能性が高い。

このように預金が増加していることから、銀行業界の当面最大の課題は資金運用である。この数年、地銀も、金額は小さいながら海外貸出を拡大してきた(図表3)。しかし、足元で外貨の調達コストも上昇しており(図表4)、海外の景気拡大にも勢いがなくなってきた。また、一部の地銀では上期に外債の損切りを迫られ、それ以外の銀行でも、含み損となっている銀行が多い。調達力のある大手行以外では、海外投融資の拡大は厳しくなりつつあると思われる。

 

大手銀行株は下落局面で「買い」も

中間決算発表後、銀行株は、当面の材料出尽くしや還元期待の剥落で軟調に推移している。
確かに、地銀には総じて厳しい環境が続きそうだ。スルガ銀行に端を発した収益物件投資案件の問題もあり、不動産関連融資には慎重にならざるをえない。しばらくは運用難にも悩まされる。これまで利益を支えてきた貸倒引当金の戻入益もこれまでほどには期待できない。

大手行にとっても、運用難は共通の悩みである。一方、手数料収益が増加しており、国内外での業容の拡大が期待できる。収益には直結しないものの、長期金利が上昇方向にある点も株価にはプラスだ。大手行については、株価下落時には拾っていきたい。

2日前

決算集計速報 最終版 今週の決算発表は

先月下旬からスタートした3月決算企業の中間決算発表もいよいよ終盤となり、昨日でほぼ終了となりました。そのため今週は決算を発表する企業も徐々に少なくなってきましたが、こうしたなかでも今週に入って昨日までの3日間でTOPIX500採用銘柄に限っても40社の企業が決算を発表しています。そこで今回は11月12日から昨日までの決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

それをみると折り返し地点の中間期ということもあって引き続き多くの企業が業績予想の修正を行っており、3日間で4割を超す企業が業績予想を見直しています。例えば鹿島建設(1812)が通期の営業利益の見通しをこれまでの1080億円から1200億円へと上方修正する一方で、クレディセゾン(8253)では通期の営業利益の見通しを425億円から382億円へと下方修正しています。

3日前

国内債券市況コメント(11月14日)

11月14日の国内債券市場:超長期債主導で金利低下   【債券先物】 前日の海外市場では原油価格の急落などを背景に米長期金利が低下しており、債券先物(12月限)は前日比3銭高の150円84銭でスタート。寄り後は

3日前

一足早く決算を発表した銘柄で目標株価の引き上げがみられる銘柄は

先月下旬からスタートした3月決算企業の中間決算発表もほぼ終了となりつつありますが、10月中に一足早く決算を発表した銘柄ではアナリストによる業績や目標株価の見直しもある程度進んだと思われます。そこで今回は先月29日までに決算を発表したTOPIX500採用の3月期決算銘柄を対象に決算後に複数の目標株価の引き上げがみられるもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。

そのなかでも目標株価の引き上げが多かったのが10月25日に決算を発表した東北電力(9506)で、通期の営業利益の見通しを引き下げたにも関わらず決算発表後に4社が目標株価を引き上げています。また、29日に決算を発表した塩野義製薬(4507)では通期の営業利益の見通しを上方修正したこともあって同じく4社が目標株価を引き上げています。

4日前

国内債券市況コメント(11月13日)

11月13日の国内債券市場:世界的な株安を背景に金利低下   【債券先物】 前日の海外市場はハイテク株主導で株安が進行しており、債券先物(12月限)は前日比6銭高の150円81銭でスタート。前場は国内株式市場の

4日前

12月決算銘柄の第3四半期決算集計速報 PART3

先月下旬から3月決算銘柄の中間決算発表がスタートしていますが、それと並行して行われているのが12月決算銘柄の第3四半期決算発表です。そして12月決算企業は3月決算企業に次いで企業数が多いことから10月中に既に60社以上の東証1部上場企業が決算を発表したのに続いて11月に入っても数多くの企業が決算を発表しています。そこで今回は東証1部上場企業を対象に11月8日から昨日までに行われた12月決算銘柄の第3四半期決算発表を早速まとめてみました。

それをみると今期も残すところ第4四半期のみとなったこともあって4分の1の企業が通期の業績予想を見直しています。例えばゲーム関連のKLab(3656)やネクソン(3659)が通期の営業利益の見通しを上方修正しています。一方でブリヂストン(5108)を初め横浜ゴム(5101)や東洋ゴム工業(5105)といったタイヤ大手が揃って通期の営業利益の予想を下方修正しています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

先月下旬からスタートした3月決算企業の中間決算発表も終盤に入ってきました。そのため今週は決算発表を行う企業も一気に減りますが、そうしたなかで明日は日本郵政3社や三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)などが決算を発表する予定です。

5日前

国内債券市況コメント(11月12日)

11月12日の国内債券市場:海外金利の低下を背景に堅調な推移   【債券先物】 前週末の海外市場はBrexit問題への懸念などから欧米金利が低下しており、債券先物(12月限)も前週末比6銭高の150円75銭でス

5日前

決算集計速報 PART7 先週末の決算は

3月決算企業の中間決算発表が先月下旬からスタートしています。こうしたなかTOPIX500採用銘柄に限ると先月31日がピークとなりました。しかし、先週も多くの企業が決算を発表しており、先週末はTOPIX500採用銘柄で40社近い企業が決算を発表しました。そこで今回は11月9日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

それをみると折り返し地点の中間期ということもあって引き続き多くの企業が業績予想の修正を行っており、9日も3割強の企業が業績予想を見直しています。例えばヤクルト本社(2267)やダイフク(6383)、太陽誘電(6976)などが通期の営業利益の見通しを上方修正しています。一方で東レ(3402)や関西ペイント(4613)、三井金属鉱業(5706)などが通期の営業利益の見通しを下方修正しています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

先月下旬からスタートした3月決算企業の中間決算発表も終盤に入ってきました。そのため今週は決算発表を行う企業も一気に減りますが、そうしたなかで明日は鹿島建設(1812)やリクルートホールディングス(6098)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などが決算を発表する予定です。

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