Category : マネックス

8時間前

決算後に目標株価の引き上げがみられる12月決算銘柄は

12月決算企業の第1四半期決算発表も先週で終了しました。そのため決算発表後のアナリストによる業績や目標株価の見直し作業も順次進んでいると思われます。こうしたなか先日の投資のヒントでは8日までに決算を発表した銘柄を対象に目標株価の引き上げがあったものを取り上げましたが、今回は9日以降に決算を発表したTOPIX500採用の12月決算銘柄を対象に決算発表後に目標株価の引き上げがみられるもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。

そのなかで目標株価の引き上げが多かったのが大塚ホールディングス(4578)と資生堂(4911)で、第1四半期の好調な業績を受けて決算発表後に4社が目標株価を引き上げています。また、SUMCO(3436)でも3社が目標株価を引き上げたほか、昭和電工(4004)やトレンドマイクロ(4704)、堀場製作所(6856)、キリンホールディングス(2503)でも決算発表後に2社が目標株価を引き上げています。

1日前

とあるニューヨークのヘッジファンドが、日本の個人投資家に勧める投資法

前回のレポートへの反響

前回のレポート「とあるニューヨークのヘッジファンドは日本株をどう見ているのか」にはとても大きな反響をいただきました。ご感想をくださった皆様、誠にありがとうございました。本日の銘柄フォーカスでは前回のインタビューの続きをご紹介いたします。日本株からは少し離れた内容になりますが、今回お話いただいた内容も個人投資家の皆様にとてもお役に立つものと存じますのでぜひご参考いただければと思います。前回のレポート同様一問一答形式で、私からの質問とヘッジファンドのファンドマネージャーの方の回答をご紹介していきます。

米国現地から見える米国の景色

Q.長く米国に住んでおられるが、日本と米国を比べてどのような違いがあるか?
 便利で安心して暮らせるのは日本。ただ、今の自分には米国での生活が合っていると感じている。米国には年功序列という考え方がなくチャンスが多い。米国で10年で達成しようと思ったことが結果的に5年で達成できた。日本にいたら10年でやろうと思っても30年かかるかもしれない。米国は実力主義で、チャンスを与えてくれるリスクマネーの存在が豊富なところが良い。ただ、ニューヨークに暮らしていると毎日が厳しい競争の連続で、生存競争にさらされているようなものなので疲れる点もある。

Q.今のお話を聞いて、「激しい競争の少ない日本に暮らしながら米国株に投資することで、結果的に競争の勝者の果実を享受する」という考え方を思い出した。その考え方についてどう思うか?
 とても良い考え方なのではないか。日本に暮らしているならば、リスク分散という意味で日本株だけでなく欧米株に積極的に投資するというのは合理的な考え方だろう。

Q.日本では1989年のバブル期が株価のピークで基本的に右肩下がりのマーケットだった。それに対し米国株は基本的に右肩上がりのマーケットである。その根本的な違いはどこにあると思うか?
 競争の有無とリスクマネーの存在が大きい。日本ではダメになった会社でも国や銀行が守るのでつぶれにくく、新陳代謝が働かない。米国ではダメな企業は退場させられるし、ダメな企業にも良い点があればリスクマネーがその部分のみを購入する。そういった経済のダイナミズムのようなものが米国ではしっかりと働いていると感じる。

Q.2016年11月にトランプ氏が大統領選に勝利したが、現地で暮らしていて予想していたか?
 まさか。トランプ氏の勝利は全く予想していなかったし、その後の株価上昇も予想できてはいなかった。

Q.トランプ大統領になって感じた変化はあるか?
 ニューヨークは米国の中でも少し特殊なところがあるが、インフレと好景気をヒシヒシと感じている。日本のランチは500円程度で食べられるところがたくさんあると思う。ニューヨークは近場のいかにも普通のお店でテイクアウトしてもたいてい10ドル(約1,100円)はかかる。座ったらチップ込で最低でも20ドル位か。ただ、米国の中でも地方に行くとそうでもないようなので、やはり富めるものとそうでないものの二極化が進んでいるのだろうと思う。

Q.日本の報道からすると、トランプ大統領は格差是正を訴えて裕福でない層からの支持を受けているという印象がある。その点はどうか?
 実際の政策を見ていると富裕層優遇が進み、経済格差がますます開いているように感じる。例えば日本でいう相続税についてトランプ大統領になってこれまでの控除額から2倍に引き上げられる。これは金持ち優遇と言うほかないのではないか。

Q.米国企業の中でも例えばアマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップル、ネットフリックスなどの巨大企業が勝者となってビジネスを総取りしていくのではというイメージがある。その点についてはどう思われるか?
 私もそう思う。米国に暮らしていながら自分のアマゾンの利用頻度はどんどん上がっているし、アップルやネットフリックスなどの私の周りの人間への浸透度を見ると彼らが総取りしている感じがする。彼らは顧客から確固たる支持を受けているので値上げしても顧客離れが起きない。アマゾン・プライム(アマゾンの会員優遇サービス)は米国では年間99ドルから119ドルに値上げされた。それでも顧客離れが起きないのだから、彼らの株主はハッピーであると思う。ただ、彼らも永遠と安泰ではなく、数年したら新しい会社にその地位を奪われているかもしれない、と言うのが米国の深さだと思う。

日本の個人投資家に向けた資産運用のアドバイス

Q.日本の個人投資家に投資のアドバイスをいただきたい。
 ぜひ「分散投資」を勧めたい。「分散投資」というと多くの方は株・債券・現金などの資産の分散を思い浮かべると思う。もちろんそれも大切だが、加えてぜひ考えていただきたいのが「時間の分散」である。例えば1000万円の退職金が手元にあったとして、「退職金にあった投資信託・・・」と金融機関の勧めるままに1000万円を全額投資するのではなく、「この1000万円を何年に分けて投資しようか」という発想をするのが良いのではないか。5年に分けて投資するのならば1年に200万円、10年なら100万円という風に時間を分散して投資する発想だ。

いつが株価の大底でいつがバブル・天井なのかというのをピンポイントで予測することは不可能だ。例えば今の米国だって、世界的に金融緩和が行われているためのリスクマネーが多すぎて少しバブルっぽくなっている気配はある。ただ、じゃあすぐに株価が下落するかというとそれはわからない。予想できないからこそ、時間を分散して投資することで結果的に長い目で見れば良いリターンが望みやすいと思う。私自身が「米国版NISA」のような制度を使って、2007年ごろから少額ながら米国ETFを活用した毎月積立投資を行っている。結果的に始めた時期が良かったのもあるが、これまでのところ年率10%強で運用ができている。ぜひ毎月積立を活用して分散投資を実践してほしい。

Q.投資対象としてはどのようなものが良いと考えているか?
 コストの低いETFなどを活用して、主要先進国+中国程度の投資先で良いのではないか。自分は新興国や経済規模の小さい国の年率10%の外国債券というのはあまり欲しいと思わない。仕組債も、組成者と販売者の取り分が多いのであまり好きではない。米国・欧州・中国などの主要国のインデックスに分散して投資すれば良いのではないかと思う。

 いかがだったでしょうか。金融のプロ中のプロであるヘッジファンドのファンドマネージャーがお勧めされたのが、「コストの低いETFを活用して分散投資を実施する」ということだったのがとても印象に残りました。あの偉大な投資家ウォーレン・バフェットも「S&P500(米国を代表する株価指数)に連動するコストの低いインデックス・ファンドを活用することが個人投資家にとってベストアンサーの1つである」と言っています。ぜひそういったインデックス・ファンドに投資資金の一部を振り向け、国際分散投資を実践いただければと思います。

1日前

想定レートがより保守的な銘柄は

ここにきて円安が進んでいます。米長期金利が3%台に乗せるなど米国で金利が上昇するなかドル円が111円台を付けるなど円安が進行しています。このため企業の今期の業績予想における想定レートとのかい離が広がっています。今期のドル円の想定レートで最も多いのが105円ですが、なかにはより保守的に想定レートを置いている企業も幾つかみられます。

そこで今回は今期のドル円の想定レートを100円に置いている銘柄をピックアップしてみました。例えば今期は円高になるリスクが高いとの見方から日本電産(6594)ではドル円の想定レートを100円としています。また、コマツ(6301)や日立建機(6305)、三菱電機(6503)やファナック(6954)などでも今期の想定レートを100円としています。

2日前

目標株価の引き上げが目立つ12月決算銘柄は

先月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表もほぼ終わりとなりましたが、それと並行して行われていたのが12月決算企業の第1四半期決算発表で、これも先週で終了しました。そのため決算発表後のアナリストによる業績や目標株価の見直し作業も順次進んでいると思われます。そこでまずは8日までに決算を発表したTOPIX500採用の12月決算銘柄を対象に決算発表後に目標株価の引き上げがみられたもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。

そのなかでも目標株価の引き上げが目立ったのがポーラ・オルビスホールディングス(4927)とアサヒホールディングス(2502)で、堅調な業績を受けて決算発表後に4社が目標株価を引き上げています。また、花王(4452)や協和発酵キリン(4151)、旭硝子(5201)でも3社が目標株価を引き上げたほか、ライオン(4912)とDMG森精機(6141)でも決算発表後に2社が目標株価を引き上げています。

5日前

中間期の折り返しに向けて順調なスタートを切った銘柄は

先月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表もほぼ終わりとなりましたが、それと並行して行われていたのが12月決算企業の第1四半期決算発表です。それも今週で終了したことから昨日の投資のヒントではTOPIX500採用の12月決算銘柄を対象にその決算を集計しましたが、今回はそのなかから中間期の折り返しに向けて順調なスタートを切った銘柄を取り上げてみました。

具体的には中間期の会社予想を公表している銘柄で、その上期予想に対する第1四半期の営業利益の進捗率が50%以上となったものをピックアップしています。例えば昭和シェル石油(5002)やネクソン(3659)では上期予想に対する進捗率が8割以上となったほか、コクヨ(7984)やライオン(4912)でも進捗率が7割を超える水準となっています。また、業績予想を上方修正した昭和電工(4004)でも進捗率は5割となっています。

5日前

今期減益の要因と日経平均のバリュエーション

決算発表も一巡して、連続最高益となった前期から今期は3期ぶりに減益となる見込み。日経平均を構成する225社の当期利益予想の合計は27兆7千億円で前期実績から1兆8千億円減少する。これを1株当たり利益(EPS)にすると今期予想(加重平均ベース)は1640円程度になる。前期実績は1760円程度だから、6%強の減益予想だ。

僕たちが「日経平均3万円への道」を打ち出した昨年の秋、僕は今期予想EPSを1770円と見積もった。そのEPSをPER17倍(過去平均+1標準偏差)まで評価すれば、

1770 × 17 = 30,090

で日経平均は3万円に届く、という見立てであった。前期実績1760円だからEPS1770円という予想は、前期のうちにほぼ届いてしまっていたのである。ただ、それがわかったのは減益予想となっている今期になってから、というのがなんとも皮肉なところだ。皮肉と言えば、今期のスタートは見立ての正反対というのも皮肉である。昨秋秋の見立ては今期業績1ケタ増益だったが、反対に1ケタ減益。PERの過去平均+1標準偏差ではなく、過去平均マイナス1標準偏差、というのが現状だ。

しかし、この「今期減益」というのを額面通り受け取るのは間違いである。

減少額の上位をみるとトップはソフトバンク、以下自動車。これらの企業は米国の減税で前期に大きく利益が出た銘柄。その反動減という特殊要因がある5位の第一生命も前の期に57%増の3639億円と上場来最高益を出した反動。これも米国減税等前期に計上した一時的な利益がなくなる影響で減益を見込むが、実質的には増益になるとして増配に自社株買いを発表し株価は堅調だ。

225社中、減益は80社で全体の3分の1である。減益の合計額は3兆5千億円だが上位30社で3兆2千億円、上位10社で2兆5千億円と上位の減益に引っ張られている。

最終の当期利益は特別利益の剥落で減益だが、営業利益ベースでは増益だ。真水の稼ぐ力は高まっている。例えばトヨタは営業利益4%減の予想だが、為替相場の影響を除いた「真水」の値でみると実は5%の増益だったりする。販売台数の増加や「お家芸」の原価低減を見込んだ強めの数字になっている。当期純利益の減益幅が最大のソフトバンクも営業利益は増益予想だ(日経予想ベース)。

最終利益の減益を額面通り受け止めてはいけないというのは、こういう意味だ。そうは言っても、数字は数字。EPSは1640円程度に下がる。PERの拡大がなければ2万3000円程度がフェアバリュー。過去平均の15倍まで戻れば1月の高値を抜けて2万4000円台後半まで上昇するのはファンダメンタルズでじゅうぶん可能だが、問題はPERを引き上げるカタリストが乏しいことだ。

6日前

12月決算銘柄の第1四半期決算集計 決算で大きく上昇した銘柄は

先月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表もほぼ終わりとなりましたが、それと並行して行われていたのが12月決算企業の第1四半期決算発表です。それも今週で終了したことから今回はTOPIX500採用の12月決算銘柄を対象にその決算を集計してみました。それをみると第1四半期ということもあって通期の業績予想を据え置く企業がほとんどでしたが、一部には修正する企業もみられました。

例えば通期の業績予想を大幅に上方修正したのが昭和電工(4004)で、営業利益の見通しを従来の1100億円から1370億円へと引き上げたことから決算発表翌日に株価が大きく上昇しています。また、業績予想は据え置きとなったものの、資生堂(4911)はこの第1四半期の営業利益が前年同期比で9割を超す大幅な増益となったことから決算発表翌日に株価が急伸しています。

1週間前

決算集計速報 最終版 終盤の決算発表は

先月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表も先週末がピークで決算発表もいよいよ終盤です。しかし、それでも昨日は400社近い企業が決算を発表しTOPIX500採用銘柄に限っても30社の企業が決算を発表しています。そこで今回は昨日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速、集計してみました。

そのなかでコンセンサス予想を上回る営業利益の見通しを発表したのがNTN(6472)や阪急阪神ホールディングス(9042)で、株価は強気の業績予想を受けて堅調でした。一方でコンセンサス予想を下回ったのが鹿島(1812)やエイチ・ツー・オー リテイリング(8242)で、営業減益予想の見通しを発表したこともあって株価は軟調となりました。

1週間前

決算集計速報 PART9 昨日の決算発表は

先月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表も先週末がピークで決算発表もいよいよ終盤に入ってきました。しかし、それでも昨日は380社近い企業が決算を発表しTOPIX500採用銘柄に限っても30社近い企業が決算を発表しています。そこで今回は昨日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速、集計してみました。

そのなかでコンセンサス予想を大きく上回る営業利益の見通しを発表したのがコニカミノルタ(4902)で、前期に減益予想が一転して増益での着地となったうえ、今期も二桁の増益予想となっています。一方でコンセンサス予想を大きく下回ったのが日産(7201)で、前期の大幅減益に続いて今期も減益予想となっています。

1週間前

決算集計速報 PART8 ピークを迎えた決算発表で強気の見通しを発表した銘柄は

先月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表も先週末がピークとなり、先週末は一日で800社を超える企業が一斉に決算を発表しました。こうしたなかTOPIX500採用銘柄に限っても前日に続いて70社以上の企業が決算を発表しています。そこで今回は先週末の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速、集計してみました。

そのなかでコンセンサス予想を上回る営業利益の見通しを発表したのが千代田化工建設(6366)や阪和興業(8078)、長谷工コーポレーション(1808)、日本空港ビルデング(9706)などで、これらの銘柄では強気の業績予想を受けて決算発表後に株価が大きく上げています。一方で営業利益の見通しが市場予想を下回った旭化成(3407)やSUBARU(7270)では決算発表を受けて株価が下げています。

2週間前

銀行18/3期決算発表開始:そろそろメガバンクに強気に

● 来週メガバンクの18/3期決算が発表される。終了した18/3期はほぼ会社計画通りの前期比微減益と予想され、19/3期も殆ど全行で微減益の可能性大だが、いくつか注目すべき点も。

● 特に、1)貸出金利低下度合い、2)貸出増加幅、3)コスト構造改革の見通し、4)株主還元策に注目。メガバンクでは貸出金利は下げ止まりも近く、利鞘の厚い海外大型貸出の増加も続きそう。

● 既に微減益は織り込まれているだけに、上記の点などで意欲的な内容が示されれば株価が見直される可能性がある。旺盛な外貨建て貸出の需要の恩恵を受け、コスト構造改革も具体化する大手行に相対的に強気。金利上昇は遠のいた感もあるが、自力の業績改善から上値余地あり。

銀行18/3期決算決算の注目点
銀行の18/3期の決算発表が開始、来週はメガバンクを含む大半の銀行の決算が発表される(SMFG 5/14、MUFGとみずほ5/15)。3月後半以降銀行株はTOPIXに対して弱いが(図表1)、これは、金利上昇期待の剥落と、ぱっとしない18/3期の決算を織り込んでいると思われる(図表2)。

一方、19/3期の会社計画には注目点も多い。現時点の市場のコンセンサス予想では、19/3期も一部を除くほぼ全行で微減益の予想となっている(図表3)。しかし、いくつか決算で注目すべき点もあり、その内容によっては、メガバンクを中心に切り返す可能性があるだろう。

1)貸出金利の低下度合い
国内の貸出金利は、都市銀行平均で0.827%、地方銀行平均で0.999%と、ついに地方銀行でも1%を切った(図表4-1、直近18/2月)。19/3期についても、低下幅は徐々に縮小しているものの、まだ下がり続けるのは確実である。低下幅は、特に第二地銀で大きい一方、メガバンク傘下の各都市銀行ではかなり下げ止まり感が出てきている(図表4-2)。

大手行ではこうした国内貸出関連業務が収益に占める割合は2~3割程度と低いものの、基幹業務の一つではあり、反転増に転じることは一つのポジティブ材料となるだろう。

2)貸出増加率
次の注目点は、利鞘の低下を貸出のボリュームでどこまで打ち返すことができるかである。19/3期は引き続き利鞘の低下率が貸出の増加率を上回ってしまい、預貸金利益は減少を続けるだろう(図表5-1,5-2)。地方銀行については、貸出の伸び率が4%前後と高いことから、来年度にはリーマンショック後初めて預貸金利益が反転増に転じるかもしれない。しかしこれを織り込むのはまだ早いだろう。

一方、メガバンクの海外貸出は引き続き拡大が見込める。一時懸念されたLiborの上昇も4月以降落ち着きつつあり、金利の更なる上昇前の駆け込みの資金需要で3~5%前後の増加が期待できる。特に期待はM&Aや設備投資資金である。例えば、武田薬品工業(4502)によるアイルランドのシャイアー社買収では、買収額約7兆円に対し3兆円の融資が想定されている。こうした海外大型案件の過去5年間の平均利鞘は242bpと、国内貸出の3倍にも上るため、やはり今期は地銀よりはメガバンクの方に業容拡大の軍配が挙がりそうだ。

3)コスト構造改革の見通し
前期から始まったメガバンクの「コスト構造改革」については、まだ緒に就いたばかりであり、今期に目に見えるような成果を期待するのは難しいだろう。むしろ、例えば、報じられているような三菱UFJの店舗削減などの施策や、金融技術の活用がどの程度のコストカットに繋がるのか等、将来に向けた取り組みの一段の具体化が注目点である。また、地銀にはメガバンクのようなコスト構造改革の波は押し寄せていないが、前向きに取り組む銀行が出れば素直にポジティブに評価されるだろう。

4)株主還元策(配当および自社株買い)
一部の銀行の配当利回りは3%を超えるなど引き続き高い(図表7)。配当性向は、30~50%に分散しているが、微減益が予想されている今期計画も、各行とも配当額を下げる可能性はゼロに近いだろう。むしろ資本比率に余裕度が高いMUFGやSMFGには若干の還元強化が期待される。

注目銘柄:そろそろメガバンクに強気
19/3期の計画に注目が集まる中、企業のM&A関連業務や、旺盛な外貨建て貸出の需要の恩恵を受けるMUFG(8306)やSMFG(8316)などのメガバンクグループに相対的に強気である。金利上昇は遠のいた感もあるが、自力の業績改善から上値余地があるだろう。

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