為替介入は今後あるのか?円高がもたらす株式相場への影響
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太です。
今回は、為替介入の効果についてお話しします。
金曜日はすごかったですね。ドル円でもとんだ人は多かったと思います。土曜日朝5時段階で、1ドル=102円25銭前後と落ち着きを取り戻しつつありますが。ということで、株式にも関連するテーマで為替介入について解説します。
介入があるとすれば、1ドル=100円きった場合です。
ただし、為替介入により、円安へ流れを変えることができる状況には現状はならないため、政府も慎重に構えていると思います(政府も為替介入には大義名分が入りますしね)。
実は過去、政府・日銀による為替介入は幾たびか行われてきました。しかしながら、トレンドを反転できた介入は実に数回しかなく、一時的な効果にとどまっている場合が多いのが実際の状況になります。
ここで、最近の例で為替介入効果を説明します。①2010年9月15日、2兆1,249億円の介入が実施されましたが、介入による効果は最大で3.5円ほど円安に修正されることになりました。②2011年3月18日、協調介入により6,925億円の介入が実施されましたが、介入による効果は最大で約2円、円安へ修正されました。③2011年8月4日、1日の規模としては最大の4兆5,129億円もの介入が実施され、介入によって3円ほど円安へ修正されました。
①~③の最近の事例を見ていただいても分かる通り、為替介入が実施され、ある程度のインパクトを与えたとしても実際は2~3円ほどの修正がなされるにとどまっているといえます。結局、①~③のどの事例をみても、その後において、トレンドである円高傾向を遮ることはできておらず、2~3週間後には介入前の水準に戻ってしまっているのです。
ここからいえることは、根本的な問題(今回はイギリスのEU離脱)が解決せずに介入が行われる場合には、トレンドを反転させることは難しいということです。また、投資という観点からいえば、仮に為替介入が今後も行われるようなことがあった場合において、2~3円の円安が生じたことで、利益確定できるのであれば売却してしまうべき、と指摘できます。
例えば、FX投資を行う方であれば、介入後でも十分その余韻で利益は確保できると思いますので、ドル買い円売りを行い、ある程度(例:1~2円)円安になったら利益確定、その後、ある程度介入効果がおさまりそうになったら、円買いドル売りに転じることでダブルでの利益を確保することも可能といえます。
あくまで最近の傾向からいえることですので、必ずそうなるとまでは言えませんが、為替投資を検討されている場合には参考にしてみてください。
あ、いつの間にかFXの授業になってしまいましたね。為替は日本株式も動かします。1円円高に振れるとトヨタは利益が400億円飛びます。今回の円高でトヨタは1600億近く飛んだことになります。トヨタの決算書を見ると、減益理由の大半が円高理由。いいたいことは、輸出企業は今は極力見ないということです。内需のしっかりした企業にターゲットをしぼって株式投資の銘柄は探していってください~。
<追加募集!第1回募集は早々打ち切り!今回限定10名募集>
■マネーのカリスマ伊藤亮太FPの四季報勉強会(オンラインサロン)
https://fan-com.net/portfolio/itoryotakabu/
YOU MIGHT ALSO LIKE