Category : マネックス

2日前

決算集計速報 最終版 14日の決算発表は

先月下旬からスタートした3月決算企業の第3四半期決算発表が本格化しています。こうしたなかTOPIX500採用銘柄に限ると先月31日がピークとなりました。しかし、2月に入ってもまだ多くの企業が決算を発表しており、昨日もTOPIX500採用銘柄で20社近い企業が決算を発表しました。そこで今回は14日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

そのなかで通期の業績予想を上方修正したのが日本郵政(6178)で、宅配便のゆうパックの収益が拡大することで経常利益の見通しをこれまでの7300億円から7800億円へと500億円引き上げています。一方で通期の業績予想を下方修正したのが出光興産(5019)とコスモエネルギーホールディングス(5021)で、昨年末の原油安の影響から営業利益の見通しを出光興産で510億円、コスモエネルギーホールディングスで540億円引き下げています。

3日前

弱気相場の象徴が反転の兆し

先週のレポート「業績悪化も市場の重石でない理由」の趣旨は、「下方修正相次ぐ」というメディアの報道に触れると、さも日本の上場企業の業績が大幅に落ち込んでいるようなイメージを持つが、実態はそれほど悪くない、というものだ。決算発表も概ね一巡したこのタイミングで、データをアップデイトしよう。前回同様、日経平均を構成する225銘柄では、昨日時点までで年初来の下方修正は55社とほぼ4社に1社が下方修正したことになる。一方、上方修正した企業も30社を超え、一時は倍以上の開きがあったが、終盤にきてその差は縮小した。金額ベースでは、ざっくり言って、下方修正が1兆5000億円弱、上方修正が1兆1000億円弱でネットは4000億円弱の下方修正。これは全体の純利益額合計、約29兆円から見れば1.4%程度である。

日経平均構成銘柄の業績修正(年初来、純利益)

出所:Quickのデータをもとにマネックス証券作成

「上方修正1兆1000億円のうち7000億円がSBG1社によるものではないか」というツッコミが入るかもしれない。しかし、それを言うなら、下方修正額の大きな上位5社トヨタ・日立・JXTG・日産・昭和シェルの下方修正額合計は9500億円弱。これだけで下方修正全体の63%を占める。前回述べた通り、トヨタ、日立は米国会計基準による保有株式の評価損を計上と英原発事業の凍結に伴う損失の計上による特損が理由で、石油元売りは原油市況による下方修正。こういう市況産業の業績のブレは仕方ないので、上場企業の業績が悪化している、という趨勢的な話とは関係ないだろう。

総括すれば、上方修正・下方修正ともに大企業の一時的要因に引きずられている部分が多く、全体観で言えば大きな修正はない、あったとしても上方修正、下方修正で相殺されている、といえるだろう。

決算が一巡して、こうした企業業績の全体像が見えてきたことが、日経平均が2万1000円の大台を抜けた理由のひとつだろう(もちろん、米中貿易交渉進展期待や米政府機関再閉鎖回避のニュースなどが市場のセンチメントを明るくした面もある)。

日経平均は一目均衡表の雲の上に浮上、今朝がたの利益確定売りで押されても、今度は雲が下値抵抗になっているようだ。

一目均衡表の雲の上に浮上したと言えば、上海総合である。昨年初からの下落基調の中で、ずっと75日移動平均に頭を抑えられてきたが、明確に抜けてきた。25日移動平均も上方転換し、75日線とゴールデンクロスした。下落トレンドが転換しつつある。銅の市況と上海総合は歩調を合わせて推移してきたが、同時に底入れしている。この中国株の底打ちは、大きな意味があると思う。

上海総合指数日足チャート

出所:マネックス証券投資情報サイト

米国ではダウ平均が昨秋急落した下げ幅の4分の3を取り戻した。フィラデルフィア半導体株価指数は昨年10月以降の下落分について言えば、9割を埋め戻した(3月高値に対しては73%)。半導体関連の戻りが顕著だ。

エヌビディアが14日発表した2018年11月~19年1月期決算は売上高が市場予想に届かなかったものの、1株利益は市場予想を上回った。決算を受けて時間外取引で一時は通常取引の終値から9%あまり上昇した。昨年の弱気相場の象徴がエヌビディアだった。この銘柄が復活の狼煙を上げ始めたことの意味は大きい。

「意味は大きい」と二回言った。中国株の底入れ、エヌビディアの反転‐昨年からの弱気相場の象徴だったものが立ち直りの兆しを見せている。この意味は、どう大きいのか、いわずもがなだろう。

目先の話だが、今晩の米国株市場でハイテク株物色の流れが強まりそうだ。それにもかかわらず、東京市場でハイテク株を先回り買いするような動きは見られない。今日午前の日本株相場は、米国の非常事態宣言とか米国の小売売上高が急減したことを理由に軟化している。相変わらず、弱い相場である。

米商務省が昨日発表した2018年12月の小売売上高は前月比1.2%減と、9年ぶりの大幅な減少となった。しかし、昨年12月といえば株価が急落していた時期である。資産効果の大きな米国ではその影響があったのではないか。さらに、市場予想は0.2%増だった。実際に出てきた数字はマイナス1.2%。これだけ大きな乖離はなにか特殊要因があると考えるのが普通だろう。12月の小売売上高統計は35日間に及んだ政府機関の一部閉鎖の影響で遅れて発表された。当然、政府機関の閉鎖がデータ収集作業に影響した可能性があり、統計の信頼性を疑問視する声があがっている。

そんなデータを真に受けて株価が下げているとは思えない。大きく上げた週末、利益確定の格好の口実に過ぎないのだろう。

昨今、毎月勤労統計の不正から統計を巡る議論が活発だ。以前からよく引用していた僕が好きな箴言をひとつ。

嘘には3種類の嘘がある。ふつうの嘘と大嘘と、統計である。
 

3日前

手軽にすぐできる!気になる企業の決算確認2つのポイント

決算発表が佳境に

第3四半期の決算発表がほぼ終わりました。12日までに決算発表を行った3月決算企業のうち前年同期と比較可能だった2,035社の10-12月の経常利益を集計したところ、表のように前年同期と比べて17.5%の減益でした。金融や外需関連業種を中心に冴えない業績となっています。マーケット環境の悪化や当レポートでご紹介してきた中国経済の鈍化が企業決算に現れていると考えています。

(出所)2019年2月13日時点のQUICKデータよりマネックス証券作成

このような環境下でもしっかりとした業績を残した銘柄は次回のレポートでご紹介します。本日は皆様にやっていただきたい、保有銘柄の決算を簡単にチェック頂く2つのポイントをご紹介します。

気になる銘柄の決算結果をチェックいただきたい2つのポイント

ご紹介する2つのポイントはいずれも私が開発した「マネックス銘柄スカウター」を活用いただければ手軽に実行していただけます。それでは2つのポイントをご紹介します。

ポイント①足元の3ヶ月の業績「だけ」を見る

企業は四半期ごとに決算を発表するのだから、3ヶ月で見るのはあたりまえではないかと思った方が多いかもしれません。しかしあえてご紹介しているのには大きな理由があります。

日本企業は原則として決算短信で業績の累計値のみ発表します。3月決算の企業は第3四半期の決算発表であれば4-12月の9ヶ月間の累計値を発表するわけです。しかし、当然ながら4-9月の業績はすでに発表済みなので、マーケットが気にするのは10-12月の3ヶ月の業績です。累計値だけを見るのと、直近3ヶ月の数値だけを見るのでは見える景色が全く変わることがあるのです。実例を用いてご紹介します。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)の決算短信

(出所)ガンホー・オンライン・エンターテイメント発表の決算短信

上記は大ヒットしたスマートフォン向けゲーム「パズドラ」で知られるガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)(以下、ガンホー)が2月1日に発表した決算短信です。ガンホーは12月決算なので、今回の発表は1年分の業績です。業績をご覧いただくと、売上高は0.2%減と微減ですが営業利益は265億円と前期の343億円から22.7%減少しています。パズドラの大ヒットで業績が急拡大したガンホーですが、近年はユーザー離れが起き苦しい業績となっています。ではこの発表の翌日、ガンホーの株価はどう反応したのでしょうか?

ガンホー・オンライン・エンターテイメントの株価推移

(出所)マネックス証券投資情報サイト

チャートに示したとおり決算発表翌営業日の2月4日にガンホーの株価はなんと26%近い大幅上昇となりました。あんなに冴えない決算なのになぜこんな株高が起きたのでしょうか?「足元の3ヶ月だけ」を見ることでその答えが見えてきます。

以下の表はマネックス銘柄スカウターから取ったガンホーの3ヶ月ごとに区切った業績です。これまでずっと冴えなかったガンホーの業績ですが、直近の3ヶ月のみ劇的に改善していることがご覧いただけると思います。17四半期連続で前年同期比減収減益だった同社の業績が18四半期ぶりに前年同期比プラスに転じています。会社の説明によれば実施したキャンペーンが休眠ユーザーの復活に寄与し、MAU(Monthly Active Users・月あたりのアクティブユーザー)が回復したということです。期待されていなかった業績復活がポジティブ・サプライズとなり一気に投資家の買いを誘ったと考えられます。(なお、自社株買いの実施を発表したことも株高に作用したと思われます。)

ガンホー・オンライン・エンターテイメントの3ヶ月業績の推移

(出所)マネックス銘柄スカウター

このように「累計値」だけを見た場合と「直近3ヶ月のみ」の業績を見た場合では、全く異なることが意外なほど多いのです。ご自身で直近3ヶ月の業績を確認する場合には、直近の累計業績から1つ前の四半期の累計業績を引き算するという手間が必要ですが、マネックス銘柄スカウターでは最初から3ヶ月に区切った業績をご紹介しています。

ぜひマネックス銘柄スカウターを活用し、保有されている銘柄の3ヶ月業績を見て業績のトレンドがどのようになっているかチェックしてみてください。例えば業績に悪化の兆しが出てきている場合、損切りして業績好調な銘柄への入れ替えを検討するのも良いかもしれません。企業の3ヶ月業績は銘柄スカウターの「企業分析」ページに掲載されています。

ポイント②業績の進捗率をチェックする

企業は「原則として」通期の業績予想を発表します。「原則として」と記したのは、例えば市況の影響が大きい証券会社などは発表しなくても良いことになっているためですが、ほとんどの企業は業績予想を発表するとお考えいただいて間違いありません。その企業の予想が順調に進んでいるかどうかをチェックできるのが業績の進捗率です。例えば1年間の売上が100億円であると予想している企業の第3四半期時点の売上が70億円であれば進捗率は70%ということになります。

1つの目安として、売上や利益が第1四半期であれば25%・第2四半期であれば50%・第3四半期であれば75%以上であれば順調に進捗していると言えます。今回も実際の決算発表を見ながら考えてみましょう。

オービック(4684)の業績予想

(出所)オービック発表の決算短信

上記はシステムインテグレータのオービック(4684)が発表している今期の業績予想です。1年間で710億円の売上高、383億円の経常利益を稼ぐと予想しています。それでは第3四半期時点の業績をご覧ください。

オービック(4684)の第3四半期業績

(出所)オービック発表の決算短信

売上高710億円予想に対し552億円、経常利益383億円予想に対し318億円を稼いでいます。第3四半期時点で売上高は77.8%、経常利益は83%の進捗です。それぞれ75%を上回っており、特に経常利益は大きく上回っています。ここまで良い進捗であれば今後業績予想が上方修正されること、もしくは予想を上回って業績が着地することに一定の期待をしても良さそうです。このような銘柄の場合業績への安心感が高いため、景気が不安定なときなどに特に買いを集めやすい傾向があります。銘柄スカウターでは「企業分析」のページで以下のように業績の進捗率をご覧いただけます。

オービックの業績進捗状況

(出所)マネックス銘柄スカウター

業績進捗率を投資に活用するにあたり1つご注意いただきたいのが、企業によっては「売上や利益が1つの四半期に偏る場合がある」ことです。例えば公共事業で道路舗装を請け負う建設会社などは、1-3月に売上や利益が偏る傾向があります。3月が近づくとやたらに道路工事が行われて渋滞することが多くなりますよね。以下は世紀東急工業(1898)の3ヶ月業績の推移です。

世紀東急工業(1898)の業績推移

(出所)マネックス銘柄スカウター

棒グラフで示された売上高、折れ線グラフで示されたた営業利益ともに第4四半期に大きく跳ねています。こういった企業の場合第3四半期までの進捗率が悪くても、第4四半期で大きく取り返せる場合があります。世紀東急工業の場合、この第3四半期までの経常利益の進捗率は58.6%と低くなっています。しかし、仮に第4四半期で昨年と同じ経常利益を稼げたとすると会社予想を達成することが可能です。このようにややクセのある企業の場合には一工夫必要ですが、重要な分析なのでぜひ実行していただければと思います。

企業決算はどこを見ればよいかわからない・・と言うお客様も多くいらっしゃると思います。まずは保有銘柄についてこれら2つのポイントだけでもチェックし、投資判断に活かしていただければと思います。

3日前

決算集計速報 PART10 12日と13日の決算発表は

先月下旬からスタートした3月決算企業の第3四半期決算発表が本格化しています。こうしたなかTOPIX500採用銘柄に限ると先月31日がピークとなりました。しかし、2月に入ってもまだ多くの企業が決算を発表しており、12日と13日もTOPIX500採用銘柄で30社近い企業が決算を発表しました。そこで今回は12日と13日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

そのなかで株価の上昇が目立ったのが国際石油開発帝石(1605)や光通信(9435)で、 国際石油開発帝石は原油価格の想定を引き下げたことなどで営業利益の見通しは下方修正したものの、オーストラリアの液化天然ガス事業のイクシスLNGプロジェクトの収益貢献による当期利益の見通しを上方修正したことなどから株価は急伸しています。また、光通信も通期の営業利益の見通しを引き上げたことで大幅高となっています。

4日前

2月は買物に役立つ魅力的な株主優待がいっぱい

2月は大手スーパーや百貨店、そして各種専門店など小売り企業の決算が集中する月で、株主優待制度を導入しているところも少なくありません。このため2月の株主優待には身近なお店で便利に利用できる買物券や割引券といった魅力的なものが数多くあります。そこで今回は2月の株主優待のなかから買物に役立つ株主優待にスポットを当てて銘柄をピックアップしてみました。

例えばJ.フロント リテイリング(3086)や高島屋(8233)、松屋(8237)といった百貨店では割引カードを優待制度として発行しているほか、大手スーパーのイオン(8267)ではキャッシュバックを優待として実施しています。また、専門店として人気が高く全国に店舗を展開する靴のABCマート(2670)や婦人衣料のしまむら(8227)、家具・インテリア製品のニトリHD(9843)などでは店舗で利用できる商品券や割引券がもらえます。なお、権利付き最終売買日は2月20日が権利確定となる銘柄が2月15日で、月末が権利確定となる銘柄が2月25日です。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

先月下旬からスタートした3月期決算企業の第3四半期決算も明日でほぼ終了となります。こうしたなか明日は大林組(1802)や日本郵政3社などが決算を発表する予定です。

5日前

決算集計速報 PART9 先週末の決算発表は

先月下旬からスタートした3月決算企業の第3四半期決算発表が本格化しています。こうしたなかTOPIX500採用銘柄に限ると先月31日がピークとなりました。しかし、2月に入ってもまだ多くの企業が決算を発表しており、先週末もTOPIX500採用銘柄で50社近い企業が決算を発表しました。そこで今回は2月8日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

そのなかで株価の上昇が目立ったのが長谷工コーポレーション(1808)や太陽誘電(6976)で、長谷工コーポレーションは通期の営業利益の見通しを上方修正したことなどで、また太陽誘電は第3四半期の営業利益が7割近い増益となったことなどで大幅高となっています。一方で東レ(3402)は通期の営業利益の見通しを下方修正し二桁の減益予想となったことなどから株価が大幅安となりました。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

先月下旬からスタートした3月期決算企業の第3四半期決算もいよいよ終盤に差し掛かってきました。そのため決算を発表する企業も今週は大きく減りますが、そうしたなかで明日はリクルートホールディングス(6098)やダイキン工業(6367)、住友不動産(8830)などが決算を発表する予定です。

1週間前

決算集計速報 PART8 7日の決算発表は

先月下旬からスタートした3月決算企業の第3四半期決算発表が先週から本格化しています。こうしたなかTOPIX500採用銘柄に限ると先月31日がピークとなりました。しかし、2月に入ってもまだまだ多くの企業が決算発表を予定しており、昨日もTOPIX500採用銘柄で30社以上の企業が決算を発表しています。そこで今回は2月7日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

そのなかで株価の下落が目立ったのが雪印メグミルク(2270)で通期の営業利益の見通しを下方修正したことで急落となっています。また、同じく通期の営業利益の見通しを下方修正した旭化成(3407)でも株価が大幅下落となりました。一方でSUBARU(7270)も営業利益の見通しを下方修正しましたが、株価が既に水準を大きく切り下げていたこともあって悪材料出尽くしとなり決算発表後に大きく上昇しています。

もう一つのヒント

週明けの決算発表スケジュールは

先月下旬からスタートした3月期決算企業の第3四半期決算もいよいよ終盤に差し掛かってきました。こうしたなかで週明けは鹿島建設(1812)や三菱マテリアル(5711)、日産(7201)などが決算を発表する予定です。

1週間前

業績悪化も市場の重石でない理由

「今週のマーケット展望」で、<日経平均は一目均衡表の雲が薄くなっているところに差し掛かっている。この間隙を縫って雲の上に浮上するチャンスである。ナローパスを通せるか、正念場だ>と述べたが、残念ながら、だめそうである。雲の出口にワンタッチした途端に下方に屈折した。こんな薄い、壁とも言えない壁に跳ね返されるようでは、いかにも弱い相場である。

出所:Bloomberg

力強い戻り歩調にある米国株に比べ、日本株は弱さが際立つ。先週のレポートでも同じことを書いた。

なんで、こんなに弱いのか?根底には、日本の資本市場の構造要因がある。まず企業がダメである。コーポレートガバナンス改革なんていうけど、全然ダメダメである。それが何十年も続いたので、日本株に投資するまっとうな投資家が日本市場から去ってしまい、短期筋やアルゴにかき回される市場になってしまった。前から言い続けているが、日本は投資家の層が薄い。米国では長くミューチャルファンド(アクティブ運用の代名詞)が不振でずっと資金流出の状態にあった。ところが、この1月は2015年初め以来の純流入を記録した。1月の米株のリターンは1987年以来の高さとなったが、その背景がミューチャルファンドへの資金流入だったとFinancial Times は伝えている(2/6 Retail reversal Investors return to Wall Street with eyes on US equities)。ボラティリティが高いときこそ、プロのアクティブ・マネージャーに資金を託す - それが米国の投資家なのだ。さすがである。日本では望むべくもない。この状況を変えるべく、われわれは「マネックス・アクティビスト・フォーラム」という活動を開始した。今後、折に触れて紹介していきたい。

先週のレポートで、日本株の上値が重い「表層的な」理由として円高を挙げた。「表層的な」というのは、実質的にはそうでないからだ。端的に言えば、FRBが利上げを停止するというのは完全に市場に織り込まれているから、その理由ではもう円高にはならない。実際にドル円は110円台をつけた。

日本株の上値が重い、もうひとつの「表層的な」理由は「業績悪化懸念」だろう。「表層的な」というのは、実質的にはそうでないからだ、と述べたが、企業業績については実際に下方修正が相次いでいるのだから、こちらの理由は本当ではないか、と思われるかもしれない。

確かに、下方修正する企業のほうが上方修正する企業より多い。日経平均を構成する225銘柄で言えば、年初来の下方修正は38社、上方修正した20社に比べて倍近い。しかし、金額ベースではどうか?下方修正の額はトヨタの4300億円、日立製作所の2200億円を筆頭にその累計額は1兆円に及ぶ。ところが上方修正のほうも、ソフトバンクGの7000億円、ソニーの1300億円など、合計すれば9600億円に達する。上方修正・下方修正ほぼ拮抗している。

額が大きい日立の下方修正は英原発事業の凍結に伴う損失の計上によるもので、営業利益ベースでは増益を保っている。トヨタも下方修正は最終純利益のみで、理由は米国会計基準による保有株式の評価損を計上したことだ。本業は堅調で、4~12月期のグループ世界販売台数は800万台と2%増え、連結売上高は3%増の22兆4755億円と過去最高だった。

つまり、下方修正の大半を占めるトヨタ・日立の減額は、一時的な要因である。さらに言えば、日立の下方修正はすでに1月に発表されている(その後、上方修正もされた)。少なくとも決算発表が経過するなかで、続々と下方修正が相次いで市場のセンチメントが悪化してきた - という事実はない。論より証拠、決算発表が始まった1月第4週からの日経平均の予想EPSの推移を見ると、むしろ増加基調にある。

出所:QUICKデータよりマネックス証券作成

出所:QUICKデータよりマネックス証券作成

もうひとつ、下方修正が相場の悪材料でない理由は、下方修正しても悪材料出尽くしで大幅高となる銘柄が散見されることだ。典型例は昨日の古河電工。10%の大幅高だ。営業利益は307億円で前年同期比7.7%の減益だが、10-12月期は132億円で同14.2%の増益に転じている。持ち直しが見えてきた。通期予想は、持分法利益の下振れで経常利益は下方修正だが、営業利益は据え置いている。電力向け電線や自動車向けワイヤハーネスが堅調だ。これで、あとは光ファイバーなど通信事業が動き出せば強烈なアップサイドのポンシャルがある。僕はずっと古河電工を推奨してきた。それは昨年5月の本決算の発表の時の社長のコメントに共感したからだ。

古河電工は本決算の発表時、2019年3月期の純利益が前期比19%減の230億円になりそうだと発表した。QUICKコンセンサスを3割も下回り、発表翌日の株価は10%安と急落した。そこからずっと右肩下がりで株価は低迷することになる。ここまで弱い業績見通しを出されると買えない、という声がファンドマネージャーからあがった。

業績悪化の理由は、海底電力ケーブルの大型案件を初めて受注するからだ。生産や設置工事のコストが膨らみ赤字になる。海底ケーブルの生産能力増強のための投資も負担になる。
小林敬一社長は「将来の成長機会を確保するために投資は不可欠」と言い切った。5GやIOT時代に爆発的に増えるデータ通信。その根幹を支えるファイバー事業で抜きんでる布石を打っている。マーケットは短期志向だから、評価されない。しかし、長期目線なら買えるだろう。

1/11付のレポート「2019年日本株相場のメインシナリオ」で、<昨年からのこの下げ相場は2015年夏のチャイナショック~2016年のBREXITまでの景気下降局面と同様の景気サイクルの中で起きている相似形だ。であれば2016年後半から景気と株価が盛り返したように今年後半から盛り返すだろう。その時買われるのは、リバーサルで昨年のワーストパフォーマーだ。まさに2016年後半のベストパフォーマーに一致する。非鉄セクターなど景気敏感なところに注目したい。>と述べた。

日経平均構成銘柄で昨年のワースト10を見ると以下の通り。

出所:Bloomberg

年初来のパフォーマンス・ランキングは、SUMCOが3位、古河電工が7位、川崎汽船が15位、ヤフーが19位、日本製鋼所が32位、三井金属39位と、昨年のワーストパフォーマーが軒並み上位に顔を出している。世の中は、相変わらず、景気悲観論があふれて真っ暗だが、マーケットはじわりと景気回復のシナリオを織り込み始めているように思われる。

1週間前

決算集計速報 PART7 トヨタやソフトバンクGの決算は

先々週からスタートした3月決算企業の中間決算発表が先週から本格化しています。こうしたなかTOPIX500採用銘柄に限ると先月31日がピークとなりました。しかし、2月に入ってもまだまだ多くの企業が決算発表を予定しており、昨日もTOPIX500採用銘柄で30社以上の企業が決算を発表しています。そこで今回は2月6日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

そのなかでも注目を集めたのがトヨタ(7203)とソフトバンクグループ(9984)で、米国会計基準の変更を受けて株式の評価損を計上したことで通期の最終損益の見通しを下方修正したこともあってトヨタの株価は小幅に下落しました。一方でソフトバンクグループの株価は第3四半期の営業利益が大幅増益となったうえ、自社株買いも発表したこともあって大幅高となっています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

先々週からスタートした3月期決算企業の第3四半期決算はTOPIX500採用銘柄に限ると31日がピークとなりました。しかし、今週も多くの企業が決算発表を予定しています。こうしたなか明日は東レ(3402)やオリンパス(7733)、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)などが決算を発表する予定です。

2週間前

銀行業界3Q決算:全くぱっとしないが、3~5%の配当利回りは引き続き魅力

・邦銀大手行の第3四半期決算は、前年同期比4.8%減益。会社の通期計画達成率は最近の中で最も低い78%。年末の市場の混乱を割り引いてもやや弱く、発表後の株価はTOPIX比やや軟調。

・銀行決算の決算は、プラスもマイナスもまとまって出る第4四半期が勝負の分かれ目。だが、今年度は与信費用も昨年度比増加し、不動産市場や投資活動も総じて鈍化しているため、楽観視はできない。

・問題は配当が維持できるか。特に高配当のあおぞら銀行は、通期予想が若干切り下げられる可能性はある。みずほ、りそなの3Q決算もやや弱かったが、会社予想通りの配当に留まりそう。

・外銀と比べても割安な邦銀は、昨年末に最悪シナリオを一旦織り込んだ今、当面の下値は限定的。配当利回りは3~5%と高く、邦銀株は引き続き長期投資対象として推奨。特に、増配に最も近いと思われる三井住友や、通期計画上振れの可能性が高く還元力もある三菱UFJに注目。

銀行業界3Q決算の進捗状況

1/30から2/4にかけ、大手行が第3四半期決算を発表した。続いて地銀の決算も4割程度が発表されているが、年末の市場の混乱を割り引いても、ぱっとしない内容となっている。

邦銀大手7行(対象銘柄は下記図表1脚注参照)の合計当期利益は2.3兆円で、前年同期比4.8%減少した。当期利益の進捗率(4月~12月累計利益の会社の通期計画に対する比率)は79%と、まずまずのようにも見えるが、過去6年間では最低レベルである(図表1)。

3Qが振るわなかったのは、12月に市場が荒れたため、外国証券やデリバティブ・ポジションの損切りを余儀なくされたことや、運用関連手数料が振るわなかったこと、海外で与信費用が増加したことなどが共通要因としてみられた。いわば悪い材料が重なった四半期だった。

これを受け、銀行の決算発表後の株価は、TOPIX対比で総じて低調となっている。銀行間の濃淡をみると、ある程度、3Qの進捗率に沿った動きがみられる (図表2)。このため、弱い3Qの業績は、株価に概ね反映されたとみていいだろう。なお、例外として、新生(8303)は2Qまで低かった進捗率を挽回したことなどが評価されたようだ。逆に三井住友(8316)は、進捗がスローダウンしたことや、事前の期待が大きかったことなどで勢いがない。

 

いずれにせよ、銀行決算は、手数料も引当金もまとまって出てくる第4四半期が勝負である。特に今期は年末にかけて株・クレジット市場が暴落し、その後復調しているため、3Q決算は本来の収益トレンドを示す指標にはならない。

… しかし、4Qで急回復の可能性は低く、一部では計画未達も

では、4Qで挽回できるだろうか。昔であれば債券の益出し等で決算を作れたが、今期はそのようなバッファーは殆どない。

それでも、進捗率が75%以上の銀行は、会社計画利益の達成にまず問題はないだろう。それ以外の銀行は微妙である。1月以降の海外市場の復調にもかかわらず、投資活動は総じて低調で、不動産市場等も大きく回復している印象はない。与信費用も、まだ安心なレベルではあるものの、前年よりは増加するとみられる。このため、進捗率が低い銀行については、会社計画の達成は楽観視できない。

配当は維持できるのか

だとすると、配当が維持できるかどうかが気になる。株価にアップサイドを求めるのが難しい環境下で、当面の投資妙味は配当利回りの高さにほぼ尽きる(図表3)。

その中で、若干注視されるのが、みずほ(8411)の動向だ。特に10~12月の収益は厳しく、今期の計画達成が不透明になっている。それでも、同行の配当維持のコミットメントは極めて高いことから今期末の配当(3.75円。通期で7.5円)はまず安泰だろう。問題は来年度である。4,000億円半ばをかけたシステムの償却負担が重い年となる。ただ、次期中計のスタートの年でもあり、なんとか配当維持の方向で踏み留まると現時点では予想する。

りそなの3Qも、不動産収益の前年比の減少や米国債のロスカットなどから弱めにみえる。関西の地銀の統合影響(会社計画では加味されていない)を除くと60%強と大手行で最も低い進捗率に留まった模様だ。他行同様、曙ブレーキ工業の私的整理申請の影響等も4Qに心配される中で、通期計画達成は微妙である。それでも、貸出の伸びや手数料収益は強く、21円の今期の年間配当に懸念はないだろう。

一方、あおぞら銀行(8304)については、もう少し弱い印象を持つ。四半期配当を行う同行は、既に、3Qの配当を前年同期比で10円引き下げた(2Qと同額の40円だが、前年の3Qは50円配当だった)。4Qの配当も計画から若干切り下げる可能性が否定できない。10円程度であれば配当利回りにそれほど大きな影響は与えない。しかし、海外ビジネスだのみで、ここから先の成長シナリオが見えにくい同行株は、仮に減配となれば売りが出やすいかもしれない。

 

世界の大手行比較でも割安:高配当から長期保有推奨。SMFG(8316)、MUFG(8306)に注目

邦銀は世界的にみて引き続き割安である(図表4)。低金利と過当競争で中長期的な収益減少が懸念されているのが主因だが、同じく低金利の欧州の銀行に比べても、さらに割安な水準にある。底割れリスクがあるとすれば、その要因は、世界的な景気後退だが、昨年末に一度最悪シナリオを織り込んだことから、当面の下値は限定的だろう。

これらの点から、引き続き3~5%の高配当狙いで、邦銀大手行の長期保有を推奨する。特に、早ければ来年度、遅くとも次期中計開始の再来年度にかけて、増配が期待される三井住友(8316)、会社計画を上振れで着地できそうで、かつ、来期初には恒例の自社株買いが期待できるなど還元力の高い三菱UFJ(8306)などに注目する。

 

2週間前

決算集計速報 PART6 5日の決算発表は

先々週からスタートした3月決算企業の中間決算発表が先週から本格化しています。こうしたなかTOPIX500採用銘柄に限ると先月31日がピークとなりました。しかし、2月に入ってもまだまだ多くの企業が決算発表を予定しており、昨日もTOPIX500採用銘柄で30社近い企業が決算を発表しています。そこで今回は2月5日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

そのなかで決算を受けて株価の上昇が目立ったのがカカクコム(2371)やヤマハ(7951)で、第3四半期の営業利益が二桁の増益となるなど好調な決算を好感して買いを集めました。一方で株価の下げが目立ったのがセガサミーホールディングス(6460)で通期の営業利益の見通しを下方修正したことから大きく売られました。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

先々週からスタートした3月期決算企業の第3四半期決算はTOPIX500採用銘柄に限ると31日がピークとなりました。しかし、今週も多くの企業が決算発表を予定しています。こうしたなか明日は富士フイルムホールディングス(4901)やニコン(7731)、リコー(7752)、NTT(9432)などが決算を発表する予定です。

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