Category : マネックス

3週間前

10年以上前の最高益を更新した12月決算銘柄は

先月下旬からスタートし先々週で終了となった3月期決算銘柄の第3四半期決算発表ですが、それと並行して行われていたのが12月決算銘柄の本決算発表です。それも先々週末のブリヂストン(5108)などの決算発表でほぼ終了となりましたが、6割近い企業が営業増益を確保し、3割強の企業が最高益を更新しています。

そこで今回は前期に営業最高益を更新した12月決算銘柄のなかから10年以上前の最高益を更新したものをピックアップしてみました。例えば東海カーボン(5301)と日本カーボン(5302)では、中国の環境対策という特需を受けて主力の黒鉛電極の価格が大きく上昇したことなどで2008年12月期の最高益を大幅に上回って前期に10年ぶりに最高益を更新しています。

4週間前

「悪い」は現在 「良くなっている」は変化の方向

工作機械受注は前年割れが拡大している。昨年10月に前年同月比マイナスに転じ、11月にはマイナス17%と一気にマイナス幅を広げた。しかし、その後は、マイナス18.3%、マイナス18.8%とマイナス幅の縮小ペースが緩やかになっている。これは中国景気の減速でいち早く悪化した外需が持ち直してきているからだ。工作機械受注の外需は11月を直近のボトムに2カ月連続で増加している。そして、昨日発表された1月の確報で、中国向けが2カ月連続で前月比10%超の増加になったことも確認された。「1月は春節前の駆け込み需要も影響している。底を打ったというのは早計」という慎重な見方も当然ある。

しかし、他の指標でも改善しているものが散見されるので、総合的に考えれば中国景気は「底打ちつつある」と見るべきだろう。中国は昨年から矢継ぎ早に景気対策を繰り出してきたが、今年に入ってからも、自動車や家電の購入を促進する消費刺激策に加え、金融緩和や減税措置、インフラ投資の拡大などを打ち出している。こうしたことが徐々に経済指標で確認できるようになってきた。

出所:Bloomberg

この景気回復の兆しに真っ先に反応しているのが中国株の動き。先週も指摘したが、上海総合は200日移動平均を一時上回り、現在その水準に絡む展開となっている。上方トレンドへ転換したように見える。

100万部を超えるベストセラー、「FACTFULLNESS」の言葉を借りれば、「悪い」と「良くなっている」は両立する。「悪い」は現在の状況であり、「良くなっている」は変化の方向である。中国景気減速⇒企業業績悪化、というシナリオに拘泥していると間違いかねないので、注意したい。

<「悪い」は現在の状況であり、「良くなっている」は変化の方向である>というのは、まさに企業業績と株価の関係を考えるときに重要な視点である。従前から、日経平均の予想EPSは昨年秋に2万4000円を超える高値をつけた時と変わらないと述べてきた。しかし、株価は利益の「水準」ではなく、「変化の方向性」に反応する。

出所:QUICKデータよりマネックス証券作成

昨年秋に2万4000円を超える高値をつけたのは、その後の中間決算発表での上方修正を織り込む動きだったとすれば、年末にかけての急落は、第3四半期(10-12期)の業績の急激な悪化に呼応してのことだったのだろう。日経平均構成銘柄で言えば第3四半期(10-12期)の当期純利益は前年同期比で3割も激減した。

出所:QUICKデータよりマネックス証券作成

しかし、そこが業績のボトムとなりそうだ。現時点では第4四半期(10-12期)の業績は盛り返す予想になっている。株のリターンが業績の変化に連動しているなら、現在はすでに業績回復を織り込みにいっているステージにあると考えられる。
 

4週間前

先月30日までに決算を発表した銘柄で目標株価の引き上げがみられる銘柄は

先月下旬からスタートした3月決算企業の第3四半期決算発表も終了しましたが、1月中に一足早く決算を発表した銘柄ではアナリストによる業績や目標株価の見直しもある程度進んだと思われます。そこで今回は先月30日までに決算を発表したTOPIX500採用の3月期決算銘柄を対象に決算後に複数の目標株価の引き上げがみられるもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。

そのなかで決算発表後に3社が目標株価を引き上げたのが29日に決算を発表したオービック(4684)と30日に決算を発表したNEC(6701)で、ともに第3四半期の営業利益が16%以上の大幅増益となったことなどが評価されたようです。また、JSR(4185)やANAホールディングス(9202)、オリエンタルランド(4661)、アドバンテスト(6857)、メディパルホールディングス(7459)、JR東日本(9020)でも2社が目標株価を引き上げています。

4週間前

下方修正で悪材料出尽くしとなったとみられる銘柄は

先月下旬からスタートした3月決算銘柄の第3四半期決算発表も先週でほぼ終わりとなりましたが、その決算発表を振り返ると米中貿易摩擦の影響もあってか通期の業績予想を下方修正する企業が目立ちました。しかし、そうした銘柄のなかには利益予想を下方修正したにも関わらず一旦悪材料出尽くしとなり株価が上昇した銘柄も幾つかみられました。

そこで今回は通期の利益予想を下方修正した銘柄のなかから、決算発表後最初の株価の反応(取引時間中に決算を発表した銘柄では決算発表前日終値と決算発表当日終値の比較、取引終了後に決算を発表した銘柄では決算発表当日終値と決算発表翌日終値の比較)が上昇となった主な銘柄をピックアップしてみました。例えばTDK(6762)では通期の営業利益を下方修正したものの決算発表翌日の株価は8%余り上昇しています。

4週間前

米地銀に再度強気:過去最大級の業界再編も

・2月7日、米地銀大手のBB&Tが同業のサントラスト買収を発表。翌日の株価は一時サントラストで12.7%高、BB&Tも6.1%高となった。その後も両行の株価は上昇基調にある。
・年末から、2019年は米銀再編の活発化が予想されていた。米銀は、単体では利益が伸びず、株価もやや低迷しているためだ。実際、今回統合を発表した2行も、株価は割安で経費率も高めだった。
・全米には5,477もの金融機関がひしめく。政策金利引き上げの減速が予想される中、これらの経営環境は想定より厳しくなり、統合は必然とも。ピンポイントの予想は難しいが、経費率が高めで、株価が低い米地銀は統合候補として要注目。また、そうした思惑で米地銀株全体も押し上げられるだろう。

BB&Tがサントラストの買収を発表。全米6位の銀行の誕生

2月7日に、米大手地銀BB&Tが同業のサントラストを買収すると発表した。買収金額は280億ドル(3兆円強)。ちょうど10年前のバンク・オブ・アメリカによるメリルリンチ買収(4.5兆円規模)以来の大規模買収となる。

株式交換による買収で、サントラストの株主は、1株につきBB&Tの株式1.295株を受け取ることができる。前日終値に基づく実質的な買収プレミアムは7%となる。

翌日、被買収先であるサントラストの株価は、一時12.7%高と、プレミアムを上回る上昇幅となった。買収側のBB&Tも6.1%高をつける場面もあった。その後も、両行の株価はS&P500銀行セクター平均を上回って上昇している(図表1)。

 

統合後の銀行は、全米第6位の資産規模となる(図表2)。従来は、もっと小規模の銀行が、総資産規模で2,500億ドル以下に収まるような統合をするのでは、という見方が多かった。この水準を上回ると、大規模銀行とみなされて規制が厳しくなるためだ。

 

しかし、今回の2行は、こうした市場の想定よりもはるかに大きい。両行は既に、それぞれ2,000億ドルを超える資産を有し、遅かれ早かれ、単独で2,500億ドルを上回る可能性が高かった。統合しても、追加的なデメリットがあるわけではないと判断されたとみられる。

統合の背景に低金利と過当競争:今後一層加速する可能性大

年末から、2019年は銀行統合の年になるのでは、といった予想はあった。

統合が活発化するという見方には、いくつかの理由がある。まず、低金利による米地銀の収益低下と過当競争がある。現在米国では、5,477もの金融機関(銀行や共同組織金融機関等)がしのぎをけずっている。金利が上昇していくなら、自然体で収益を拡大することも可能だったろう。しかし、FRBの利上げペースは鈍化しそうだ。格付会社も久々の企業デフォルトの増加を予想しており、米銀の収益環境は楽観視できない。

今回統合を決めた2行は、経費率が地銀の平均よりが高く(後掲図表3)、利益成長期待も低めだったため、規模のメリットが必要だったと思われる。両行ともに東海岸南部を中心に店舗展開しており、統合で支店網を整理すればコストが削減できるとみられる。

また、小規模銀行に続き、大規模金融機関に対しても規制が緩和されるのではと予想されている。現在大規模銀行は、厳しい資本規制や業務規制を受けることから、統合で大きくなると「規模の不経済」が生じるが、これが緩和されるという期待感も大規模な統合を後押ししている。

さらに、(今回は株式交換であるのでその限りではないが)トランプ減税で得られた余剰資金が買収資金として使われるのではという見方もある。

買収ターゲットの予想は難しいが、地銀全体の株価が押し上げられる可能性

政策金利上昇ペースの減速が予想されるなか、米銀の経営環境は従来の想定より厳しくなりそうだ。では、どのような銀行が統合を考えるだろうか。ピンポイントで予想するのは難しいが、経費率が高めで、PER, PBR等の株価指標が低かったり、資本がやや少なめの地銀は注目に値する。

昨年末にかけての金利低下で、米地銀株は総じて振るわなかった。既に年初来二桁上昇となっているが、統合の思惑が米地銀株全体を更に押し上げるだろう。

 

4週間前

2月の高配当利回り銘柄は

株式投資では株価の値上がりに関心が向かいやすいといえますが、株式投資には配当や株主優待といった魅力もあります。こうしたなか2月決算銘柄は3月、12月決算銘柄に次いで企業数が多いことから比較的多くの高配当銘柄をみつけることができます。そこで今回は配当利回りが2%以上の2月決算銘柄をピックアップしてみました。

そのなかには配当利回りが4%に近いものもあります。例えばチヨダ(8185)やシー・ヴイ・エス・ベイエリア(2687)、ローソン(2651)、MrMaxHD(8203)などでは配当利回りが3%台後半となっています。また、オンワードホールディングス(8016)やヨンドシーホールディングス(8008)などでも3%台半ばの配当利回りとなっています。なお、取り上げた銘柄の権利付き最終売買日は2月25日です。

4週間前

買物利用以外で魅力的な2月の株主優待銘柄は

2月は大手スーパーや百貨店、そして各種専門店など小売り銘柄の本決算が集中する月で、こうした小売り企業には株主優待制度を導入しているところも少なくありません。このため先日の投資のヒントでは2月の株主優待のなかから特に買物に役立つ優待銘柄に焦点を当ててみましたが、2月には買物に役立つものばかりでなくそのほかに様々な優待が揃っています。

そこで今回は買物利用以外で魅力的な2月の優待銘柄を幾つかピックアップしてみました。そのなかで目立つのが飲食に利用できる優待で、壱番屋(7630)や東天紅(8181)、リンガーハット(8200)、吉野家ホールディングス(9861)、大庄(9979)などの店舗で利用できる優待があります。また、自社製品やお米といった定番の優待をみつけることもできます。なお、取り上げた銘柄の権利付き最終売買日は2月25日となります。

1か月前

12月決算銘柄の決算集計

先月下旬からスタートし先週でほぼ終了となった3月期決算銘柄の第3四半期決算発表ですが、それと並行して行われていたのが12月決算銘柄の本決算発表です。それも先週末のブリヂストン(5108)などの決算発表でほぼ終了となりました。そこで今回はTOPIX500採用の12月決算銘柄を対象にその決算を集計してみました。

そのなかで株価の上昇が目立ったのが2月1日に決算を発表したガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)で、前期の通期の営業利益は前期比2割を超す大幅な減益となりましたが、第4四半期3カ月(10-12月期)だけをみると前年同期比50%増と大幅な増益に転じたことなどから決算発表翌営業日の株価は25%を超す上昇となりました。また、コンセンサス予想を上回る二桁営業増益の今期見通しを12日に発表したシマノ(7309)の株価も決算発表翌日に8%近く上げています。

1か月前

決算集計速報 最終版 14日の決算発表は

先月下旬からスタートした3月決算企業の第3四半期決算発表が本格化しています。こうしたなかTOPIX500採用銘柄に限ると先月31日がピークとなりました。しかし、2月に入ってもまだ多くの企業が決算を発表しており、昨日もTOPIX500採用銘柄で20社近い企業が決算を発表しました。そこで今回は14日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

そのなかで通期の業績予想を上方修正したのが日本郵政(6178)で、宅配便のゆうパックの収益が拡大することで経常利益の見通しをこれまでの7300億円から7800億円へと500億円引き上げています。一方で通期の業績予想を下方修正したのが出光興産(5019)とコスモエネルギーホールディングス(5021)で、昨年末の原油安の影響から営業利益の見通しを出光興産で510億円、コスモエネルギーホールディングスで540億円引き下げています。

1か月前

弱気相場の象徴が反転の兆し

先週のレポート「業績悪化も市場の重石でない理由」の趣旨は、「下方修正相次ぐ」というメディアの報道に触れると、さも日本の上場企業の業績が大幅に落ち込んでいるようなイメージを持つが、実態はそれほど悪くない、というものだ。決算発表も概ね一巡したこのタイミングで、データをアップデイトしよう。前回同様、日経平均を構成する225銘柄では、昨日時点までで年初来の下方修正は55社とほぼ4社に1社が下方修正したことになる。一方、上方修正した企業も30社を超え、一時は倍以上の開きがあったが、終盤にきてその差は縮小した。金額ベースでは、ざっくり言って、下方修正が1兆5000億円弱、上方修正が1兆1000億円弱でネットは4000億円弱の下方修正。これは全体の純利益額合計、約29兆円から見れば1.4%程度である。

日経平均構成銘柄の業績修正(年初来、純利益)

出所:Quickのデータをもとにマネックス証券作成

「上方修正1兆1000億円のうち7000億円がSBG1社によるものではないか」というツッコミが入るかもしれない。しかし、それを言うなら、下方修正額の大きな上位5社トヨタ・日立・JXTG・日産・昭和シェルの下方修正額合計は9500億円弱。これだけで下方修正全体の63%を占める。前回述べた通り、トヨタ、日立は米国会計基準による保有株式の評価損を計上と英原発事業の凍結に伴う損失の計上による特損が理由で、石油元売りは原油市況による下方修正。こういう市況産業の業績のブレは仕方ないので、上場企業の業績が悪化している、という趨勢的な話とは関係ないだろう。

総括すれば、上方修正・下方修正ともに大企業の一時的要因に引きずられている部分が多く、全体観で言えば大きな修正はない、あったとしても上方修正、下方修正で相殺されている、といえるだろう。

決算が一巡して、こうした企業業績の全体像が見えてきたことが、日経平均が2万1000円の大台を抜けた理由のひとつだろう(もちろん、米中貿易交渉進展期待や米政府機関再閉鎖回避のニュースなどが市場のセンチメントを明るくした面もある)。

日経平均は一目均衡表の雲の上に浮上、今朝がたの利益確定売りで押されても、今度は雲が下値抵抗になっているようだ。

一目均衡表の雲の上に浮上したと言えば、上海総合である。昨年初からの下落基調の中で、ずっと75日移動平均に頭を抑えられてきたが、明確に抜けてきた。25日移動平均も上方転換し、75日線とゴールデンクロスした。下落トレンドが転換しつつある。銅の市況と上海総合は歩調を合わせて推移してきたが、同時に底入れしている。この中国株の底打ちは、大きな意味があると思う。

上海総合指数日足チャート

出所:マネックス証券投資情報サイト

米国ではダウ平均が昨秋急落した下げ幅の4分の3を取り戻した。フィラデルフィア半導体株価指数は昨年10月以降の下落分について言えば、9割を埋め戻した(3月高値に対しては73%)。半導体関連の戻りが顕著だ。

エヌビディアが14日発表した2018年11月~19年1月期決算は売上高が市場予想に届かなかったものの、1株利益は市場予想を上回った。決算を受けて時間外取引で一時は通常取引の終値から9%あまり上昇した。昨年の弱気相場の象徴がエヌビディアだった。この銘柄が復活の狼煙を上げ始めたことの意味は大きい。

「意味は大きい」と二回言った。中国株の底入れ、エヌビディアの反転‐昨年からの弱気相場の象徴だったものが立ち直りの兆しを見せている。この意味は、どう大きいのか、いわずもがなだろう。

目先の話だが、今晩の米国株市場でハイテク株物色の流れが強まりそうだ。それにもかかわらず、東京市場でハイテク株を先回り買いするような動きは見られない。今日午前の日本株相場は、米国の非常事態宣言とか米国の小売売上高が急減したことを理由に軟化している。相変わらず、弱い相場である。

米商務省が昨日発表した2018年12月の小売売上高は前月比1.2%減と、9年ぶりの大幅な減少となった。しかし、昨年12月といえば株価が急落していた時期である。資産効果の大きな米国ではその影響があったのではないか。さらに、市場予想は0.2%増だった。実際に出てきた数字はマイナス1.2%。これだけ大きな乖離はなにか特殊要因があると考えるのが普通だろう。12月の小売売上高統計は35日間に及んだ政府機関の一部閉鎖の影響で遅れて発表された。当然、政府機関の閉鎖がデータ収集作業に影響した可能性があり、統計の信頼性を疑問視する声があがっている。

そんなデータを真に受けて株価が下げているとは思えない。大きく上げた週末、利益確定の格好の口実に過ぎないのだろう。

昨今、毎月勤労統計の不正から統計を巡る議論が活発だ。以前からよく引用していた僕が好きな箴言をひとつ。

嘘には3種類の嘘がある。ふつうの嘘と大嘘と、統計である。
 

1か月前

手軽にすぐできる!気になる企業の決算確認2つのポイント

決算発表が佳境に

第3四半期の決算発表がほぼ終わりました。12日までに決算発表を行った3月決算企業のうち前年同期と比較可能だった2,035社の10-12月の経常利益を集計したところ、表のように前年同期と比べて17.5%の減益でした。金融や外需関連業種を中心に冴えない業績となっています。マーケット環境の悪化や当レポートでご紹介してきた中国経済の鈍化が企業決算に現れていると考えています。

(出所)2019年2月13日時点のQUICKデータよりマネックス証券作成

このような環境下でもしっかりとした業績を残した銘柄は次回のレポートでご紹介します。本日は皆様にやっていただきたい、保有銘柄の決算を簡単にチェック頂く2つのポイントをご紹介します。

気になる銘柄の決算結果をチェックいただきたい2つのポイント

ご紹介する2つのポイントはいずれも私が開発した「マネックス銘柄スカウター」を活用いただければ手軽に実行していただけます。それでは2つのポイントをご紹介します。

ポイント①足元の3ヶ月の業績「だけ」を見る

企業は四半期ごとに決算を発表するのだから、3ヶ月で見るのはあたりまえではないかと思った方が多いかもしれません。しかしあえてご紹介しているのには大きな理由があります。

日本企業は原則として決算短信で業績の累計値のみ発表します。3月決算の企業は第3四半期の決算発表であれば4-12月の9ヶ月間の累計値を発表するわけです。しかし、当然ながら4-9月の業績はすでに発表済みなので、マーケットが気にするのは10-12月の3ヶ月の業績です。累計値だけを見るのと、直近3ヶ月の数値だけを見るのでは見える景色が全く変わることがあるのです。実例を用いてご紹介します。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)の決算短信

(出所)ガンホー・オンライン・エンターテイメント発表の決算短信

上記は大ヒットしたスマートフォン向けゲーム「パズドラ」で知られるガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)(以下、ガンホー)が2月1日に発表した決算短信です。ガンホーは12月決算なので、今回の発表は1年分の業績です。業績をご覧いただくと、売上高は0.2%減と微減ですが営業利益は265億円と前期の343億円から22.7%減少しています。パズドラの大ヒットで業績が急拡大したガンホーですが、近年はユーザー離れが起き苦しい業績となっています。ではこの発表の翌日、ガンホーの株価はどう反応したのでしょうか?

ガンホー・オンライン・エンターテイメントの株価推移

(出所)マネックス証券投資情報サイト

チャートに示したとおり決算発表翌営業日の2月4日にガンホーの株価はなんと26%近い大幅上昇となりました。あんなに冴えない決算なのになぜこんな株高が起きたのでしょうか?「足元の3ヶ月だけ」を見ることでその答えが見えてきます。

以下の表はマネックス銘柄スカウターから取ったガンホーの3ヶ月ごとに区切った業績です。これまでずっと冴えなかったガンホーの業績ですが、直近の3ヶ月のみ劇的に改善していることがご覧いただけると思います。17四半期連続で前年同期比減収減益だった同社の業績が18四半期ぶりに前年同期比プラスに転じています。会社の説明によれば実施したキャンペーンが休眠ユーザーの復活に寄与し、MAU(Monthly Active Users・月あたりのアクティブユーザー)が回復したということです。期待されていなかった業績復活がポジティブ・サプライズとなり一気に投資家の買いを誘ったと考えられます。(なお、自社株買いの実施を発表したことも株高に作用したと思われます。)

ガンホー・オンライン・エンターテイメントの3ヶ月業績の推移

(出所)マネックス銘柄スカウター

このように「累計値」だけを見た場合と「直近3ヶ月のみ」の業績を見た場合では、全く異なることが意外なほど多いのです。ご自身で直近3ヶ月の業績を確認する場合には、直近の累計業績から1つ前の四半期の累計業績を引き算するという手間が必要ですが、マネックス銘柄スカウターでは最初から3ヶ月に区切った業績をご紹介しています。

ぜひマネックス銘柄スカウターを活用し、保有されている銘柄の3ヶ月業績を見て業績のトレンドがどのようになっているかチェックしてみてください。例えば業績に悪化の兆しが出てきている場合、損切りして業績好調な銘柄への入れ替えを検討するのも良いかもしれません。企業の3ヶ月業績は銘柄スカウターの「企業分析」ページに掲載されています。

ポイント②業績の進捗率をチェックする

企業は「原則として」通期の業績予想を発表します。「原則として」と記したのは、例えば市況の影響が大きい証券会社などは発表しなくても良いことになっているためですが、ほとんどの企業は業績予想を発表するとお考えいただいて間違いありません。その企業の予想が順調に進んでいるかどうかをチェックできるのが業績の進捗率です。例えば1年間の売上が100億円であると予想している企業の第3四半期時点の売上が70億円であれば進捗率は70%ということになります。

1つの目安として、売上や利益が第1四半期であれば25%・第2四半期であれば50%・第3四半期であれば75%以上であれば順調に進捗していると言えます。今回も実際の決算発表を見ながら考えてみましょう。

オービック(4684)の業績予想

(出所)オービック発表の決算短信

上記はシステムインテグレータのオービック(4684)が発表している今期の業績予想です。1年間で710億円の売上高、383億円の経常利益を稼ぐと予想しています。それでは第3四半期時点の業績をご覧ください。

オービック(4684)の第3四半期業績

(出所)オービック発表の決算短信

売上高710億円予想に対し552億円、経常利益383億円予想に対し318億円を稼いでいます。第3四半期時点で売上高は77.8%、経常利益は83%の進捗です。それぞれ75%を上回っており、特に経常利益は大きく上回っています。ここまで良い進捗であれば今後業績予想が上方修正されること、もしくは予想を上回って業績が着地することに一定の期待をしても良さそうです。このような銘柄の場合業績への安心感が高いため、景気が不安定なときなどに特に買いを集めやすい傾向があります。銘柄スカウターでは「企業分析」のページで以下のように業績の進捗率をご覧いただけます。

オービックの業績進捗状況

(出所)マネックス銘柄スカウター

業績進捗率を投資に活用するにあたり1つご注意いただきたいのが、企業によっては「売上や利益が1つの四半期に偏る場合がある」ことです。例えば公共事業で道路舗装を請け負う建設会社などは、1-3月に売上や利益が偏る傾向があります。3月が近づくとやたらに道路工事が行われて渋滞することが多くなりますよね。以下は世紀東急工業(1898)の3ヶ月業績の推移です。

世紀東急工業(1898)の業績推移

(出所)マネックス銘柄スカウター

棒グラフで示された売上高、折れ線グラフで示されたた営業利益ともに第4四半期に大きく跳ねています。こういった企業の場合第3四半期までの進捗率が悪くても、第4四半期で大きく取り返せる場合があります。世紀東急工業の場合、この第3四半期までの経常利益の進捗率は58.6%と低くなっています。しかし、仮に第4四半期で昨年と同じ経常利益を稼げたとすると会社予想を達成することが可能です。このようにややクセのある企業の場合には一工夫必要ですが、重要な分析なのでぜひ実行していただければと思います。

企業決算はどこを見ればよいかわからない・・と言うお客様も多くいらっしゃると思います。まずは保有銘柄についてこれら2つのポイントだけでもチェックし、投資判断に活かしていただければと思います。

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