Category : マネックス

1か月前

10連休に見直したいメガバンク株:ベータもボラティリティも低下。機関投資家離れが続く

・メガバンク株の魅力の一つは、高ベータ、すなわち、市場平均よりも値動きが激しいこと。市場平均に勝たねばならない機関投資家は、上昇局面で市場に遅れぬよう、銀行株を"持たざるリスク“を意識し投資してきた。しかし、近時メガバンク株のベータは急降下し、過去最低レベルの0.9と、市場並みの「1」を割り込んでいる。
・背景には、景気拡大で貸出が増加しても利鞘の低下が続いていることや、他業態の参入で競争が厳しくなっており、既存の組織やシステムの見直しが必要になっていること等がある。
・株価のボラティリティ(価格変動率)も低下が続く。決算前後には、期待が低いだけに安心感から若干の上昇もありうる。しかし、成長が難しく金利上昇というカタリストも当面望み薄の中、高ボラ・高ベータというセクターの特性が失われていることから、当面買い手不在が続きそう。メガバンク株よりは、高成長セクターに移行しておくのが得策。

メガバンク株価は様変わり

機関投資家がメガバンク株を保有する理由の一つに、高ベータであること、すなわち、市場平均よりも動きが激しいことがある。

例えば、03年、りそなホールディングスに公的資金が注入された頃のメガバンク株のベータは1.6と、TOPIXが1%動くときに、1.6%動くという傾向にあった(図表1)。これは他の大型株に比べてもかなり高かった。機関投資家は、株式市場が上昇する局面で、市場平均に負けてはいけない。このため、市場が急騰した時についていけなくなるという"持たざるリスク“を意識して購入するのがメガバンク株だった。

 

ところが、近時メガのベータは急降下、過去最低レベルの0.9と、市場並みの「1」を下回っている。逆に、過去比較的ベータが低かった製薬会社や一部のネット系企業などのベータが上昇している(図表2)。

 

背景には、最近の邦銀は、景気拡大で貸出が増加しても、利鞘の低下で増益に結び付いていないことや、低金利で運用益が上がりにくくなっていること、モバイル決済会社などの参入で競争が厳しくなっていることなどがある。さらに足元では、みずほFG(8411)のシステム償却による巨額損失の発表や、人員や店舗スリム化の動き、三菱UFJ FG(8306)の子会社システム開発中止の報道など、既存の組織やシステムの見直しが必要になっていることも影響していると思われる。これらにより、2020年3月期の利益は、一過性の損益を除けば、前期比微減益か、せいぜい横ばい程度が市場のコンセンサスとなっている。

メガバンク株には、買い手不在の市場が続きそう:当面カタリストは少なく、売却も視野に

加えて、足元で株価のボラティリティ(変動率)も低下している(図表3)。市場全体としてもボラティリティは低下しているが、とりわけ、銀行株については、値動きが小さくなっており、特に今年にはいってからは、過去最低圏で推移している。

 

4月のアノマリー(季節性、特異現象)で、金利は若干上昇したが、これに対する銀行株の反応は限定的だった(図表4)。本格的な金利上昇となれば別だが、物価や米金利動向等から考えるとそれは当面期待しにくそうだ。

 

このような状態では、”持たざるリスク“を意識する中長期運用の機関投資家にとっても、短期のトレーダーにとっても、メガバンク株は魅力に乏しいと言わざるを得ない。

決算前後には、期待が低いだけに安心感から若干の上昇もありうる。しかし、当面買い手不在の状況が続きそうだ。メガバンク株よりは、他の好業績・高成長銘柄(例えば、4/19金山の「マーケットが最高益を期待している銘柄は」参照)にシフトしておくのが得策だと考える。
 

1か月前

最高益更新予想の2月決算銘柄は

4月に入ってスタートした2月期決算企業の本決算発表も今月中旬に終了となりましたが、東証1部上場企業の決算を集計してみると2019年2月期は前期比4%減の営業減益となりました。しかし、2020年2月期は前期比7%増の営業増益に転じる見込みで、こうしたなかで最高益を更新する見通しを発表した企業も少なからずみられます。

そこで今回は今期の営業利益の会社予想が最高益を更新する見通しとなっている2月決算銘柄をピックアップしてみました。例えば32期連続の増収増益を続けているニトリホールディングス(9843)では前期に続いて最高益を更新する見通しとなっているほか、前期に営業減益となった良品計画(7453)も今期は最高益を更新する見込みとなっています。

1か月前

4月の高配当利回り銘柄は

株式投資では株価の値上がりに関心が向かいやすいといえますが、株式投資には配当や株主優待といった魅力もあります。そこで今回は4月の高配当利回り銘柄を取り上げてみました。本決算を迎える4月決算銘柄、中間決算の10月決算銘柄は企業数が限られることから、4月は高配当利回り銘柄も決して多いとはいえません。しかし、魅力的な配当利回り銘柄を幾つかみつけることができます。

そこで今回は4月本決算銘柄と中間配当を実施予定の10月決算銘柄のなかから配当利回りが1.5%以上のものをピックアップしてみました。そのなかには日本ハウスホールディングス(1873)のように配当利回りが4%を超えるものがあるほか、東建コーポレーション(1766)やファースト住建(8917)、学情(2301)のように配当利回りが3%以上のものもあります。なお、取り上げた銘柄の権利付き最終売買日は4月23日です。

もう一つのヒント

明日と明後日の決算発表スケジュールは

今週から3月決算企業の本決算発表がスタートします。明日に決算発表を行う企業はまだ限られますが、日本電産(6594)が決算を発表する予定で注目を集めそうです。また、明後日は決算発表を行う企業も徐々に増えてきます。そうしたなかで日立建機(6305)やファナック(6954)などが決算を発表する予定です。

1か月前

年後半の景気回復が徐々に織り込まれる展開に イースター休暇明けの外国人買いに期待

日経平均は上値抵抗ラインだった200日移動平均を一気に上抜けて節目の2万2000円の大台回復を果たし水曜日まで5日続伸した。昨日は一服となったが今日午前10時の段階では切り返している。<今週のマーケット展望>では、「2万2000円の大台回復とその水準を維持できるかが焦点」だと述べたが、なんとかそうなりそうだ。「2万2000円の大台回復」はよしとしよう。しかし「遅ればせながら、やっと」という感が否めない。と、言うのは世界のマーケットはとっくに「リスクオン」モード全開だったからだ。

世界景気の不透明感などから高止まりしていた金の価格が頭打ちとなり下降トレンドが鮮明になって間もなく、ビットコインが急騰した。格付けの低い債券であるハイイールド債も買い進まれ、安全資産の代表である米国債に対する上乗せ金利もどんどん薄くなっている。既に大槻さんがリポートしているが米国債とのスプレッドという点ではギリシャ国債(5年)の利回りが同じ年限の米国債を下回ったのには驚いた。ここまでくると行き過ぎの気もする。

リスク資産にお金が集まるということは、シンプルに考えて不安材料がなくなったということだ。それを端的に表すのが「恐怖指数」の別名をもつVIX指数で過去半年で最低のレベルに低下している。

これまで市場を覆っていた不安が後退している。最大の不安材料は世界景気の減速だった。一時は、景気後退にまで至るリスクがさかんに言われていたが、現状は少なくともすぐに景気後退になるような状況からは程遠い。

先週のレポートでは中国のPMIの急回復を指摘したが、今週発表された中国の1-3月実質GDPは前年同期比6.4%増となり市場の予想を上回った。伸び率は18年10~12月期の6.4%と同じ。中国の景気は1~2月はかなり悪化していたので、1~3月の統計が昨年10~12月から横ばいだったということは、3月で相当持ち直したということだ。

米国については、労働市場の良好な環境が個人消費の底堅さにつながっている。昨日発表された3月の米小売売上高は2017年9月以来の大幅な伸びとなった。Bloomberg Newsは、昨年12月に大幅減少した後の今回の持ち直しで、過剰在庫の削減につながる可能性を指摘している。僕はそもそも足元の景気減速は在庫調整の過程で起きているものであり、通常の在庫サイクルからみて今年後半の景気回復を主張してきた。今回の小売りの統計はその見方を裏付けるものとなろう。

IMFは9日公表の最新の世界経済見通し(WEO)で、2019年の世界成長見通しを3.3%と、10年前の金融危機以来の低水準に引き下げた。ただ、景気後入りのリスクは小さいとし、今年後半には成長は上向き、20年には成長率が約3.6%に回復する見通しをしめした。年後半からの景気回復という見通しはIMFによってもエンドース(裏書き)されたと言える。

景気回復の見通しが徐々にコンセンサスになるなか、それと逆行して金融は緩和的になっている。
政治面でも英国のEU離脱期限は秋まで延期された。米中の貿易交渉も最終合意へ近づいていると見られる。これらがリスクオンの背景だ。

良く知られたアノマリーとして、4月には外国人が日本株を大幅に買い越すという季節性がある。外国人の売買動向はずっと売り越しが続き、「4月の買い」は今年は不発かとの懸念もあったが、やはり例年通り4月に入ると買い越しに転じた。外国人の買い越しは2週連続だ。

出所:東証、QUICKデータよりマネックス証券作成

今はイースター休暇で外国人投資家不在だが、休暇明けからまた買いのペースが戻ってくることを期待したい。イースター休暇が明けると、日本電産などを皮切りにいよいよ3月期の決算発表が始まる。GW10連休を控えて、買いづらいのは確かだが、少なくとも手仕舞い売りで相場下落はないだろう。手仕舞い売りがあったとしても、売り方の買い戻しもあるからだ。世界がリスクオンに傾くなかでは、連休中のアップサイド・リスクのほうが大きいのではないか。持たざるリスクをヘッジする向きもあろう。

「新潮流」で書いたことだが、今年のイースターは22日でかなり遅い。言うまでもなくイースターはイエスの復活を祝うキリスト教の祝日だが、春の到来を祝う意味もある。日本株市場も「遅ればせながら」春が到来したかもしれない。
 

1か月前

マーケットが最高益を期待している銘柄は

3月決算企業の第3四半期決算も2月中旬に終了となりましたが、日本経済新聞の集計によるとその結果は米中貿易摩擦などの影響もあって経常利益が前年同期比2%増に止まり、中間期の12%余りの増益から増益幅が大きく縮小してしまいました。しかし、こうしたなかでも最高益更新予想の見通しを発表している企業も少なくありません。また、会社予想が最高益に届かない銘柄のなかにもマーケットが最高益を期待しているものがあります。

そこで今回は会社予想の営業利益は最高益に届かないものの、コンセンサス予想が最高益更新予想となっている3月決算銘柄をピックアップしてみました。例えばオリエンタルランド(4661)の会社予想の営業利益は2014年3月期の最高益に届かないものの、コンセンサス予想では5年ぶりに最高益を更新する見通しとなっています。また、日立建機(6305)の会社予想も最高益に届かないものとなっていますが、コンセンサス予想では前期に続いての最高益が期待されています。

1か月前

会社予想を上回る最高益が期待されている銘柄は

3月決算企業の第3四半期決算も2月中旬に終了となりましたが、日本経済新聞の集計によるとその結果は米中貿易摩擦などの影響もあって経常利益が前年同期比2%増に止まり、中間期の12%余りの増益から増益幅が大きく縮小してしまいました。しかし、こうしたなかでも今期に最高益更新が予想される銘柄も少なくありません。そして最高益更新が見込まれる銘柄のなかには会社予想をさらに上回る業績が期待されていいるものもあります。

そこで今回は最高益が予想される会社予想の営業利益をコンセンサス予想が5%以上上回る3月決算銘柄をピックアップしてみました。例えばエレコム(6750)では最高益が見込まれる会社予想をコンセンサス予想が14%以上上回っているほか、カプコン(9697)でも会社予想をコンセンサス予想が13%以上上回っています。さらに日本新薬(4516)や沢井製薬(4555)、エン・ジャパン(4849)でもコンセンサス予想が会社予想を1割以上上回っています。

決算メモ

安川電機(6506)‐足元で中国の受注に回復も‐

安川電機が11日に発表した2019年2月期の決算は売上高が4746億円、営業利益が498億円となりました。2018年2月期が決算期変更により変則決算だったことから単純比較できませんが、安川電機が発表している2018年2月期の参考値との比較では売上高が前期比2.2%増、営業利益が同12.9%減となっています。

売上高は半導体製造装置や工作機械などに組み込まれるサーボモーターがスマホや半導体関連の設備投資の急減速、さらに中国の投資抑制などを受けて減収となったものの、ロボットが自動車向けで好調だったことから増収を確保し過去最高となりました。しかし、営業利益はサーボモーターの減収に加え、増益だったロボットも操業度低下により減益となったことから二桁の減益となっています。

今期は売上高が前期比2%減の4650億円、営業利益が同6.6%減の465億円と減収減益の計画となっています。しかし、足元では中国の受注に回復がみられるようです。中国向けのサーボモーターは昨年の10月がボトムで、3月は前期の第4四半期の月平均と比べて3割増となった模様です。こうした受注回復が今後も続くかどうかがポイントとなりそうです。

1か月前

上方修正で最高益更新の確度が一段と高まった銘柄は

3月決算企業の第3四半期決算も2月中旬に終了となりましたが、日本経済新聞の集計によるとその結果は米中貿易摩擦などの影響もあって経常利益が前年同期比2%増に止まり、中間期の12%余りの増益から増益幅が大きく縮小してしまいました。しかし、こうしたなかでも残すところ後3カ月ということもあって通期の業績予想を上方修正する企業も少なからずみられました。 そしてそうした銘柄のなかには上方修正で営業利益の最高益更新の確度が一段と高まったものもみられます。例えばトナミホールディングス(9070)では営業利益の見通しを従来の65億円から70億円へと引き上げたことで1992年3月期の最高益を27年ぶりに更新する可能性が一段と高まっています。また、ダイフク(6383)やIHI(7013)などでも上方修正で前期に続いて最高益を更新する可能性が高まっています。

1か月前

皆様の投資に役立つ新しい武器を作りました

マーケットは徐々にリスクオンへ

日経平均は4月15日にようやく2万2000円の節目を回復しました。昨年の12月4日以来約4ヶ月ぶりのことです。中国の経済指標に改善が見られてきていることが株価上昇の最大の要因ではないかと考えています。以下のグラフの通り中国の製造業の景況感を示す中国製造業PMIは2月までの大幅な悪化から3月は改善し、調査元の異なる2つの指数とも今後の景況感改善と悪化の境目となる50を上回りました。その他にも貿易統計に改善の兆しが見られるなど中国経済の大幅な落ち込みが続くとの懸念がだいぶ和らぎました。

中国の製造業PMIの推移

(出所)Bloombergデータよりマネックス証券作成

筆者は昨年の秋から中国や世界経済の鈍化リスクを警戒し内需ディフェンシブセクターやJ-REITなどの保守的なポートフォリオを推奨してきました。現状でリスクはだいぶ後退したと判断し日本株への判断をやや強気に見直しています。

本日のレポートは少しいつものレポートとテイストが異なりますが、きっと皆様のお役に立てるマネックス銘柄スカウターの新機能についてご紹介させていただきます。

マネックス銘柄スカウターに新たな機能を追加

マネックス銘柄スカウターは本レポートをお読みいただいたことがあるお客様であれば多くの方がご存じかと思いますが、筆者が企画・開発した日本株の分析ツールです。過去10年以上に渡って企業の業績を確認できたり、企業が通常発表しない四半期ごとに区切った業績を見られたりといった機能を搭載しており大変ご好評をいただいております。

その銘柄スカウターに「10年スクリーニング」という機能を追加いたしました。一般的に提供されているスクリーニング機能は、直近の通期業績やせいぜい今期の業績予想を元にしたものが多いです。しかし、「10年スクリーニング」はその名の通り過去10年分の業績を元にスクリーニングいただけます。例えば「過去10年間の増収回数が8回以上で、10年間の平均営業利益成長率が10%以上の銘柄」というようなスクリーニングが可能です。その他にも、直近の四半期業績やアナリストの業績予想、連続増配年数などこれまではほとんど提供されてこなかった項目を使ったスクリーニングが可能です。いくつか実際のスクリーニング例をご紹介します。
※画像の出所はすべて銘柄スカウターの10年スクリーニング

例1:高成長を続けて来て足元の業績も好調なのに株価が出遅れている銘柄

以下の条件を10年スクリーニングに入れてみました。
・全上場個別銘柄を対象
・過去10年間の平均増収率5%以上
・過去10年間の平均営業増益率5%以上
・過去10年間の増収回数8回以上
・過去10年間の営業増益回数8回以上
・直近四半期売上高が前年同期比5%以上増収
・直近四半期営業利益が前年同期比5%以上増益
・52週相対株価位置が0-20(0が52週安値を、100が52週高値を意味します)

10年スクリーニングの条件入力画面

 

すると2019年4月16日時点では以下の9銘柄がピックアップされました。

 

例2:連続増配を5期以上続けている業績好調で自己資本比率も高い銘柄

・全上場個別銘柄を対象
・直近までの連続増配年数が5期以上
・今期の会社予想の営業利益が過去10年で最高を更新見込み
・直近の予想配当利回りが4%以上
・自己資本比率が60%以上

 

すると2019年4月16日時点では以下の7銘柄がピックアップされました。

 

いかがでしょうか。従来のスクリーニングではなかなか実現できなかった様々な上限で銘柄をお探しいただけます。ぜひマネックス銘柄スカウターの「10年スクリーニング」をご活用ください。

銘柄スカウターに「10年スクリーニング」機能を追加
 

1か月前

米銀1-3月決算:市場ボラの低迷に泣く。FRB利上げ停止で慎重スタンス

・米大手銀行の1-3月決算発表がスタートし、昨日までに4行が終了。最もよかったのはJPモルガン。前年比横ばいとみられていたが、2桁増益で株価上昇。個人融資が増加し、市場関係利益の落ち込みが意外と軽かった。
・一方同日発表のウェルズファーゴは、前年比増益ながら市場予想に届かず。前期比11%の増益ではあったが、JPやシティとは対照的に個人向け融資が減少。加えて資金利益見通しを引き下げたことで、株価下落。
・昨日発表のゴールドマンは、助言業務を除き、全体に振るわず18%の減益。株価は3.8%下落。一方シティは、融資も資金利鞘も上昇。経費圧縮も進み、前年比7.5%増益となったものの、事前予想通りで株価は無反応。
・まだバンクオブアメリカ(本日発表)、モルガンスタンレー(4/17発表)が残っているが、FRBの利上げ停止の影響や、市場のボラティリティ低迷で、今後の収益には暗雲。米銀株価は世界の銀行の中では高めであり、特に市場運用中心の銀行については当面慎重スタンスとしたい。

米大手6銀行グループの1-3月決算の概観

米大手6行グループの1-3月決算発表が先週12日からスタートした。最初のJPモルガンチェース(JPM)とウェルズファーゴ(WFC.N)に次いで、昨日はゴールドマンサックス (GS) とシティグループ( C) が発表した。残りのバンクオブアメリカ (BAC)、モルガンスタンレー(MS)2行も今週中に発表する予定で、大手6グループすべての決算が出そろう。

これを受けて株価も大きく反応している(図表1)。

 

各行の1-3月決算の概要と見通し

米銀決算発表初日の12日の発表では、JPモルガンとウェルズファーゴで明暗を分けた(図表2)。JPモルガンの1-3月の一株当たり四半期純利益は2.63ドルと、事前の市場予想を12%上回った。横ばい水準とみられていた前年同期比に対しても10%の増益と案外好調だった。

 

収益の中身を見ると、特に個人向け与信の堅調さが目をひく。融資残高が前年比約4%増加し、資金利鞘も0.02%拡大した。ただ、伸び率は、前々四半期、前四半期と徐々にスローダウンしている。また、市場予想が悲観的過ぎたために特に問題視されなかったが、市場関連損益も前年比10%減(昨年の一過性の利益調整後)と振るわなかった。

今回の1-3月決算は、FRBの利上げ停止の影響はまだ殆ど反映していないため、今後のマイナス影響は気になる。実際、市場コンセンサスでも、7-9月期には伸び率が一桁に低下するとみられている。

一方ウェルズファーゴは、JPモルガンとほぼ同等の11%の増益ではあったものの、顧客部門、市場関係損益ともに軟調で、市場の事前予想には微妙に届かなかった。JPモルガンとは対照的に個人向け融資が2%減少した半面、資金利鞘は0.07%改善と、JPモルガンよりも改善幅は良好だった。一方、総預金額が2%減少している点は、米国市場全体のトレンドからは逆行しており、2年前に発生した不正営業の影響が長引いていると思われる。

しかし、これら以上に株価に大きな影響を与えたのは、今年度の資金利益の見通しを引き下げたことである。FRBの利上げ停止を受けたもので、自然といえば自然だが、せっかく1-3月の利鞘が改善していたのに水を差した格好だ。これに伴い、決算当日のウェルズファーゴの株価は前日比2.6%下落で引けた(前掲図表2参照)。

ゴールドマンサックスは、前年同期比13%減収で、市場の事前予想を下回った。助言業務は案件の増加で増収となったが、政府閉鎖と市場のボラティリティ低迷に苦しみ、主力のトレーディング部門や資産運用業務などが軒並み減益となった。同行の収益変動の高さが如実に表れた決算となった。今後個人業務にシフトするとしているが、その効果はまだ不透明である。

同じく昨日発表のシティグループの四半期利益は、市場予想通り前年比横ばいとなった。資金利鞘が0.08%上昇するとともに総貸出が3%増加。こうした商業銀行業務の好調が市場関係損益の低迷を補った。経費の圧縮も奏功した。

残るバンクオブアメリカ(本日発表)と、モルガンスタンレー(4/17発表)の発表をもって米大手6グループの1-3月決算が出そろう。

今後の見通し:米銀は世界の銀行の中ではやや高め。当面回避を推奨

米大手行の1-3月期は、総じて、商業銀行は昨年末までの利上げの余韻で好調、運用が不調、これを経費圧縮で補うという内容になっている。事前予想よりはマシだったということで、今後の市場予想は微妙に上方修正されているが、今後は、利上げ停止の影響や、市場のボラティリティ低迷で経営環境は厳しい。ゴールドマンの個人シフト、JPモルガン、シティなどのデジタル化推進など、新たな戦略も打ち出されているが、これらはまだ収益にインパクトを与えるほどには至っていない。

また、米銀は世界の銀行の中では、金利環境などの違いから、収益も高いが株価も総じてやや高めになっている(図表3)。しかし、商業銀行に強いウェルズファーゴ、シティグループ、市場運用に強いモルガンスタンレーやゴールドマンなど、それぞれに難しい環境に置かれており、市場も増益幅が徐々に低下していくと予想している(前掲図表2参照)。特に市場運用の強い銀行については、減益傾向が続くとみられていることから、これらを中心に、米銀株については当面慎重スタンスとしたい。

 

1か月前

上方修正を上回る業績が期待されている銘柄は

3月決算企業の第3四半期決算も2月中旬に終了となりましたが、日本経済新聞の集計によるとその結果は米中貿易摩擦などの影響もあって経常利益が前年同期比2%増に止まり、中間期の12%余りの増益から増益幅が大きく縮小してしまいました。しかし、こうしたなかでも残すところ後3カ月ということもあって通期の業績予想を上方修正する企業も少なからずみられました。

そして上方修正に踏み切った企業のなかにはさらにそれを上回る業績が期待されている銘柄もあります。そこで今回は営業利益のコンセンサス予想が上方修正された会社予想を上回る主な3月決算銘柄をピックアップしてみました。例えば営業利益の見通しを910億円から1000億円へと上方修正した日立建機(6305)ではコンセンサス予想の営業利益が上方修正された会社予想をさらに1割近く上回っています。

決算メモ

良品計画(7453)‐経費のコントロールが課題‐

良品計画が10日に発表した2019年2月期の決算は売上高に当たる営業収益が前期比7.9%増の4097億円、営業利益が同1.2%減の447億円となりました。営業収益は国内事業が前期比4.9%増となったことに加え、海外事業が同12.9%増となったことから16期連続の増収となりました。一方で営業利益は海外事業が19.2%増となったものの、国内事業が12.1%減と大幅な減益となったことで小幅な減益となっています。

国内事業を中止に営業減益となったのは販管費が13.7%増と想定以上に増加したためです。人件費の比率が0.9ポイントアップするなど多くの項目で上昇がみられるなか販管費比率は前年に比べ2.1ポイントも上昇しています。上期に前年同期比11.5%増だった営業利益は下期に12.3%減と急速に悪化し、1月に下方修正した470億円も下回る結果となりました。今期も経費のコントロールが課題となりそうです。

経費増とともに危惧されたのが中国事業です。現地通貨ベースの営業収益は前期比11.6%増と二桁の伸びを示していますが、既存店売上高は2.1%減と初めて前年を割り込みました。衣料・雑貨と食品は前年を上回っているものの、生活雑貨が前年を下回っています。そのため今期より現地商品部による中国市場のニーズに合った商品を投入する計画で、中国の既存店に回復がみられるかが注目されます。

1か月前

2月決算銘柄の本決算発表集計 PART2

今月からスタートした2月決算銘柄の本決算発表も先週末でほぼ終了となりました。そこで今回は10日から12日までの主な2月決算銘柄の決算発表を早速まとめてみました。決算に株価が大きく反応する銘柄もみられますが、例えば決算発表を受けて株価が大きく上げたのがウエルシアホールディングス(3141)やヨンドシーホールディングス(8008)で、ウエルシアホールディングスは大幅な営業増益の予想を発表したことで、またヨンドシーホールディングスは自社株買いを発表したことで買いを集めました。

一方で決算発表後に株価が大きく下げたのが良品計画(7453)やローソン(2651)です。良品計画はコストコントロールに失敗したことで2019年2月期の営業利益が小幅な減益となったことが、ローソンは2020年2月期の当期利益が30%近い大幅減益となる見通しを発表したことなどで売りがかさみ、良品計画は10%近く、またローソンは12%余りの下落となっています。

決算メモ

ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)‐既存店に積極投資‐

ユニー・ファミリーマートホールディングスが10日に発表した2019年2月期の決算は売上高に当たる営業収益が前期比3.1%減の6172億円、親会社の所有者に所属する当期利益が同34.8%増の454億円となりました。営業収益は不採算店舗の閉鎖を進めたことで小幅な減収となりましたが、当期利益はコンビニのサークルK店及びサンクス店からファミリーマート店へのブランド転換店の日商向上や不採算店舗の閉鎖によるコスト削減により大幅な増益となっています。

2020年2月期の会社計画は営業収益が前期比14.9%減の5250億円、親会社の所有者に所属する当期利益が同10.2%増の500億円となっています。営業収益は総菜を手掛ける子会社カネ美食品の持分法化にともない二桁の減収となります。しかし、当期利益は加盟店の支援や店舗への設備投資が増えるものの、コンビニでブランド転換にかかる費用がなくなることや、引き続きブランド転換店の日商向上が見込まれることなどから二桁の増益となる見通しです。

ユニー・ファミリーマートでは今期、設備投資額の85%に当たる1130億円を既存店投資に充てる予定です。新規什器設備の導入に加え、冷凍食品売り場の拡大や新型コーヒーマシンの導入、店舗のスクラップアンドビルドと店舗改装などを行う予定で、これは業界トップのセブンイレブンを大きく上回る金額です。ユニー・ファミリーマートではこうした既存店への積極投資により中期経営計画での2020年2月期における当期利益の目標額600億円を達成できるとしています。

前の記事へ »