Category : マネックス

1か月前

弱気見通しの撤回 英国総選挙のリスク

10/18付けストラテジーレポート「小売売上高の減少に見る米国景気失速の可能性」では米国景気に慎重な見方を示したが、今になってみれば杞憂だったと思う。

僕が小売売上高の減少を深刻にとらえたのは、それに先立って発表された9月の雇用統計で平均時給の伸びが3%を割り込んだためだ。1年以上にわたって前年比で3%超の伸びが続いてきた賃金上昇率が鈍化し、そのタイミングで消費が下振れた。労働市場の弱さはISM非製造業景況感指数のなかの雇用指数にも表れていた。雇用指数は前回の景気減速時を下回り、好不況の境目の50割れ目前にまで急低下していたのである。総合的に勘案して、年末商戦開始目前のこの状況は決して楽観視できないと思ったわけである。

ところが先週発表された10月の雇用統計では平均時給の伸びが再び前年比3%台に戻った。それだけでなく9月の平均時給も上方改定され前年比3%の上昇だった。いまになってみれば賃金の伸びはこれで15か月連続3%超の伸びが続いていることになる。50割れ目前に低下していたISM非製造・雇用指数も急反発した。米国の消費を支える労働市場の環境は、一時は悪化したかに見えたが、結局まだ堅調さを保っているといえるだろう。

ISM非製造業景況感指数 総合&雇用(緑)

出所:Bloomberg

僕の慎重な見方が杞憂だったかどうかは、1週間後に発表される米国の小売売上高で確認することになる。

予想では、前月の-0.3% → +0.2%、自動車を除くベースで -0.1% → +0.4%と回復が見込まれている。果たして市場の予想通りになるか要注目だ。

先週のストラテジーレポートではこう述べた。

<ここから中国などが主導して世界景気は底入れ感が出てくるが、反対に米国はここからもう一段の減速がありそう。そのギャップに市場は戸惑うかもしれず、要注意だ。あるいは、そろそろ利下げの効果が出てくるころで、米国景気減速がここで止まるなら文字通り「世界景気回復」の様相が強まり、文句なしの株高へ向かうだろう。2016年後半の再現となる。>

ISM製造業景況感指数も反発力は弱いながらもなんとか踏みとどまった。

グローバルPMI & ISM製造業(赤)

出所:Bloomberg

この様相はグローバルに景気底入れを探りつつあるように見える。米中協議に関してもポジティブな報道が増えている。年末ラリーはすでに始まっているが、まだ上値はあるだろう。テクニカルやバリュエーション面での調整は無論ある。ただ、この相場に乗り切れていない投資家が非常に多いと思われ、少し押したところは絶好の買い場(買い戻し場)となって深押しはないだろう。

注意したいのは英国の総選挙。英議会下院は6日、解散した。12月12日の総選挙ではジョンソン首相率いる保守党が単独で過半数の議席を確保するかどうかが最大の焦点になる。直近の政党支持率では保守党が優位に立っているが前回の2017年の選挙では終盤で労働党が急伸して、保守党は単独過半数を失った。直近では不正行為の疑いでウェールズ担当の閣僚が辞任したことも政権にとって悪材料だ。3日付の英紙サンデー・タイムズに掲載されたユーガブの世論調査結果によれば、労働党の支持率は27%に上昇し、保守党(39%)との差は12ポイントとなった。労働党は10月30日から11月1日との間に6ポイント支持を伸ばしたという(ブルームバーグ)。

英国にとって、いや世界にとってBREXITの行方は二の次だ。もっとも警戒するべきは労働党のジェレミー・コービン党首の勢いがどこまで台頭するかということである。コービン氏は、資本主義経済と株式市場にとって、米国のエリザベス・ウォーレン氏、バーニー・サンダース氏以上の脅威であろう。英国の選挙戦次第で世界の株式市場に波乱が起きるリスクには注意したい。
 

1か月前

決算集計速報 PART8 6日の決算発表は

3月決算企業の上期決算発表が先々週からスタートしています。先々週は始まったばかりということもあってまだ決算発表を行った企業は多くありませんでしたが、それも先週に入って一段と本格化しています。そして今週も多くの企業が決算発表を予定しています。そこで今回は6日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

TOPIX500採用の3月決算銘柄で昨日に決算発表を行った企業は29社でしたが、折り返しの上期決算ということもあってそのうちの12社が通期の利益見通しを変更しています。上方修正はキッセイ薬品工業(4547)と京阪ホールディングス(9045)の2社に止まりましたが、一方で味の素(2802)や旭化成(3407)、三井化学(4183)、三菱自動車工業(7211)、SUBARU(7270)、三菱商事(8058)などが通期の利益見通しを下方修正しています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

今週も多くの企業が決算発表を予定しています。こうしたなか明日は大成建設(1801)や明治ホールディングス(2269)、ホンダ(7267)、セコム(9735)などが決算を発表する予定です。

1か月前

決算集計速報 PART7 連休明けの決算発表は

3月決算企業の上期決算発表が先々週からスタートしています。先々週は始まったばかりということもあってまだ決算発表を行った企業は多くありませんでしたが、それも先週に入って一段と本格化しています。そして今週も多くの企業が決算発表を予定しています。そこで今回は連休明けの決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

TOPIX500採用の3月決算銘柄で昨日に決算発表を行った企業は23社でしたが、これまでと違って通期の利益予想を修正する企業は比較的少なく5社に止まりました。そのうち上方修正は不二製油グループ本社(2607)のみで、三菱瓦斯化学(4182)と日本軽金属ホールディングス(5703)、古河電気工業(5801)、ブラザー工業(6448)が通期の営業利益を下方修正しています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

決算発表は今週もまだまだ続きます。こうしたなか明日は東レ(3402)やトヨタ(7203)、ニコン(7731)、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)などが決算を発表する予定です。

1か月前

決算集計速報 PART6 先週末の決算発表は

3月決算企業の上期決算発表が先々週からスタートしています。先々週は始まったばかりということもあってまだ決算発表を行った企業は多くありませんでしたが、それも先週に入って一段と本格化し一気に企業数が増えました。そこで今回は先週末の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

TOPIX500採用の3月決算銘柄で先週末に決算発表を行った企業は31にのぼりましたが、折り返しの上期決算ということもあって16社が通期の利益見通しを修正しています。そのうち上方修正はTIS(3626)とアズビル(6845)の2社に止まりましたが、一方で帝人(3401)やコニカミノルタ(4902)、IHI(7013)、マツダ(7261)、住友商事(8053)など14社が利益の見通しを下方修正しています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

今週も多くの企業が決算発表を予定しています。こうしたなか明日は旭化成(3407)やダイキン工業(6367)、SUBARU(7270)、ソフトバンクグループ(9984)などが決算を発表する予定です。

1か月前

決算集計速報 PART5 先月31日の決算発表は

3月決算企業の上期決算発表が先週からスタートしています。先週は始まったばかりということもあってまだ決算発表を行った企業は多くありませんでしたが、それも今週に入って一段と本格化し徐々に企業数も増えています。そこで今回は決算発表の集中日となった昨日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

TOPIX500採用の3月決算銘柄で昨日に決算発表を行った企業は74社にのぼりましたが、折り返しの上期決算ということもあって35社が通期の利益見通しを修正しています。例えばアステラス製薬(4503)や第一三共(4568)、村田製作所(6981)、東京エレクトロン(8035)などが通期の営業利益の見通しを上方修正する一方で、三菱電機(6503)やデンソー(6902)、ローム(6963)などが通期の営業利益の見通しを下方修正しています。

もう一つのヒント

連休明けの決算発表スケジュールは

来週も多くの企業が決算発表を予定しています。こうしたなか連休明けはスズキ(7269)や丸紅(8002)、NTT(9432)、ソフトバンク(9434)などが決算を発表する予定です。

1か月前

世界景気の底入れ 米国が鍵

今回の決算発表では業績を下方修正しても買われて株価が上昇する銘柄が少なくない。業績の底入れ観測から目標株価を引き上げる動きがでているからだ。よく参照されるリビジョン・インデックスはアナリストの利益予想の上方修正/下方修正だが、下記のオレンジのグラフは「目標株価」のリビジョン・インデックスだ。

出所:IFISジャパンのデータをもとにマネックス証券作成

基本的には利益と同じ動きだが目標株価のほうはすでにプラス領域に転じている。ということは下方修正より上方修正のほうがすでに多くなっているということだ。

アナリストの下方修正が一巡した背景には世界景気の底入れ期待がある。ここに示したのは製造業のグローバルPMIだが、これ以外でも半導体、OECD景気指数、工作機械受注、様々な指標から底入れしつつあることが示唆されている。

出所:IFISジャパン、Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成

ただ注意しなければならないのは、欧州でも中国でもなく米国だ。米国は他の地域と違って減税の効果などもあり景気が強すぎたため、ピークアウトが半年以上後ずれしている。グローバルのピークは17年末だが、ISM製造業景気指数でみたピークは18年8月だ。

出所:Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成

ここから中国などが主導して世界景気は底入れ感が出てくるが、反対に米国はここからもう一段の減速がありそう。そのギャップに市場は戸惑うかもしれず、要注意だ。あるいは、そろそろ利下げの効果が出てくるころで、米国景気減速がここで止まるなら文字通り「世界景気回復」の様相が強まり、文句なしの株高へ向かうだろう。2016年後半の再現となる。

今晩発表の雇用統計とISMはそれを見極める非常に重要な指標だ。週明けにまたフィードバックしたい。

1か月前

決算集計速報 PART4 30日の決算発表は

3月決算企業の上期決算発表が先週からスタートしています。先週は始まったばかりということもあってまだ決算発表を行った企業は多くありませんでしたが、それも今週に入って徐々に本格化しています。そこで今回は昨日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

TOPIX500採用の3月決算銘柄で昨日に決算発表を行った企業は35社でしたが、折り返しの上期決算ということもあって半分を超える18社が通期の利益見通しを修正しています。例えば塩野義製薬(4507)やエーザイ(4523)、オリエンタルランド(4661)、ソニー(6758)などが通期の営業利益の見通しを上方修正する一方で、コマツ(6301)やタダノ(6395)、日立(6501)などが通期の営業利益の見通しを下方修正しています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

3月決算銘柄の上期決算発表が今週に入って一段と本格化しています。こうしたなか明日は日本製鉄(5401)やマツダ(7261)、リコー(7752)、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、KDDI(9433)などが決算を発表する予定です。

1か月前

日銀政策決定会合:フォワードガイダンス微調整のみ。銀行にはやや安心感

・日銀が金融政策決定会合を実施、31日昼過ぎに、フォワードガイダンス(政策方針)の微調整と、それ以外の政策の維持を発表した。物価見通しは今年度(-0.3ポイント)を中心に引き下げられたにも関わらず、施策としては、「2020年春をメド」としていた緩和期間のメドを削ったのみに留まった。

・前回の会合で予告した経済・物価動向の点検としては、物価目標に向かうモメンタムが失われるおそれは、ここから更に高まるわけではないが、引き続き注意が必要、とのあいまいな表現にとどまった。

・邦銀は、下落から政策発表後にやや持ち直し。次は明日からの中間決算が注目だが、そこまで悪くはなさそう。とはいえ、米銀のようなトレードや手数料の拡大は見られない。「中立」を維持する。

日銀の金融政策決定会合:手段温存で無風

同日未明(日本時間)の米国に次いで、31日昼過ぎに、日銀が金融政策決定会合の結果を発表した。内容としては、フォワードガイダンス(政策方針)の微調整のみが変更点で、それ以外の政策については維持した。

米国が、0.25%の利下げを決めた後だったことから、日銀にも市場では、3割程度の緩和が織り込まれていたが、やはり大勢の予想通り、大きな動きはなかった。可能性は低いながらもマイナス金利深掘りリスクを警戒していた銀行株はやや持ち直している。

 

フォワードガイダンスの修正は、市場では、前回会合以前から、ありうる施策として言われていたことであり、全く新味はない。特に、今回は、米国でも追加利下げ実施後であり、かつ、委員の物価見通しは、今年度を中心に大幅に引き下げられた(図表2)。これに対して施策が小ぶりに留まったことで、やはり、日銀の手詰まり感を感じざるを得ない。

 

今後の金融政策と銀行株の見通し

見方を変えると、今後の施策に向けて手段を温存したともいえる。今後もし、海外情勢の悪化や消費増税のマイナス影響が想定以上となれば、今回温存したマイナス金利の深掘りも検討の俎上に乗る可能性が高い。その場合、地銀に対する緩衝材も用意することになり、政策は複雑なものにならざるをえない。現時点ではそこまでして市場を混乱させることがないという判断であろう。今後、概ね1ドル=98円以下の円高や、消費者物価指数がゼロ近傍にへばりつくような状況になれば、マイナス金利の深掘り+金利階層の変更、地銀への出資等々、さまざまな新しい施策が登場することになるだろう。

本日の銀行株は、日銀決定会合前に下落したのち、政策発表後にやや持ち直している。次のイベントは明日から始まる中間決算である。上期は、貸出も相応に拡大しており、利鞘の低下ペースも若干鈍化していると思われる。米国の利下げは外債に追い風でもあり、与信費用も微増程度と想定されることから、そこまで悪い決算にはならないだろう。とはいえ、米銀のようなトレードや手数料の急拡大は想定しにくく、力強い株価上昇要因にはなりにくいだろう。

いずれにせよ、金融緩和がまだまだ続くことは確実で、今回マイナス金利深掘りがなかったからといって、中長期的な邦銀株への警戒を緩めるのは時期尚早だろう。邦銀株へのスタンスは、「中立」とする。
 

2か月前

決算集計速報 PART3 29日の決算発表は

3月決算企業の上期決算発表が先週からスタートしています。先週は始まったばかりということもあってまだ決算発表を行った企業は多くありませんでしたが、それも今週に入って徐々に本格化しています。そこで今回は昨日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

TOPIX500採用の3月決算銘柄で昨日に決算発表を行った企業は14社でしたが、折り返しの上期決算ということもあってそのうちの半分近い6社が通期の利益見通しを修正しています。上方修正は富士通(6702)の1社に止まりましたが、日清製粉グループ本社(2002)や日立金属(5486)、オムロン(6645)、ANAホールディングス(9202)、大阪瓦斯(9532)が通期の営業利益の見通しを下方修正しています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

3月決算銘柄の上期決算発表が先週からスタートしています。それも来週には一段と本格化しています。こうしたなか明日は決算発表の集中日で三菱電気(6503)や三菱重工業(7011)、パナソニック(6752)、村田製作所(6981)、東京エレクトロン(8035)、海運大手3社などが決算を発表する予定です。

2か月前

決算集計速報 PART2 28日の決算発表は

3月決算企業の上期決算発表が先週からスタートしています。先週は始まったばかりということもあってまだ決算発表を行った企業は多くありませんでしたが、それも今週に入って徐々に本格化しています。そこで今回は昨日の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

TOPIX500採用の3月決算銘柄で昨日に決算発表を行った企業は20社にのぼりましたが、折り返しの上期決算ということもあってそのうちの半分近い9社が利益の見通しを修正しています。例えばファナック(6954)やJSR(4185)、日立化成(4217)などが通期の営業利益の見通しを下方修正した一方で、JR西日本(9021)とJR東海(9022)では通期の営業利益の見通しを上方修正しています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

3月決算銘柄の上期決算発表が先週からスタートしています。それも来週には一段と本格化しますが、そうしたなか明日はコマツ(6301)や日立(6501)、ソニー(6758)などが決算を発表する予定です。

2か月前

決算集計速報 先週の決算発表は

3月決算企業の上期決算発表が先週からスタートしています。始まったばかりということもあってまだまだ決算発表を行った企業は多くありませんが、そのなかにはマーケットの関心が高い銘柄も幾つか含まれています。そこで今回は先週の決算発表をTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に早速集計してみました。

TOPIX500採用の3月決算銘柄で先週に決算発表を行った企業は8社に止まりましたが、折り返しの上期決算ということもあってそのうち3社が通期の営業利益の見通しを修正しています。25日に決算を発表した野村総合研究所(4307)と富士通ゼネラル(6755)が通期の営業利益の見通しを上方修正した一方で、23日に決算を発表した日本電産(6594)が通期の営業利益の予想を下方修正しています。

もう一つのヒント

明日の決算発表スケジュールは

3月決算銘柄の上期決算発表が先週からスタートしています。それも来週には一段と本格化しますが、そうしたなか明日はオムロン(6645)や富士通(6702)、NTTドコモ(9437)などが決算を発表する予定です。

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