Category : 特集記事/コラム

2週間前

実績が計画を大きく上回った銘柄は

4月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表も先月中旬に終了しましたが、日本経済新聞の集計によると前期は自動車や機械などの製造業の苦戦が目立ち純利益が小幅ながら3期ぶりの減益となってしまいました。こうしたなか前期の営業利益が会社計画を下回った企業も少なくありませんでした。しかし、その一方で実績が会社計画を大きく上回った企業もみられます。

そこで今回はTOPIX500採用の3月決算銘柄のなかから営業利益の実績が会社計画を1割以上上回ったものをピックアップしてみました。例えば京セラ(6971)では16%余りの営業減益を見込んでいましたが、実績が計画を25%近く上回ったことで4%を超える営業増益で着地しています。また、大林組(1802)でも実績が計画を12%近く上回ったことで微増益の予想だったものが13%近い増益となっています。

2週間前

国内債券市況コメント(6月10日)

6月10日の国内債券市場:超長期債が大幅に金利低下   【債券先物】 前週末の海外市場では弱めの米雇用統計を受けて米長期金利が低下しており、債券先物(6月限)は前週末比4銭高の153円47銭でスタート。寄付き近

2週間前

雇用統計の下振れだけでは利下げは決められない

先週のストラテジー・レポートでは、米国の利下げ観測は先走り過ぎであると書いた。「今夜の雇用統計は見物だ」と述べたが、果たしてNFPは大幅に下ぶれて、利下げ観測は一段と強まった。FF金利先物が織り込む7月の利下げ確率は急上昇し80%を越えた(グラフ1)。メディアにも7月利下げの信憑性といった内容の記事が多くあがっている。

グラフ1 FF金利先物が織り込む7月の利下げ確率

出所:Bloomberg

僕はますますこの見方がずれていると思う。そんなに早く、利下げは行われないないだろう。行き過ぎた市場の期待は修正を迫られることになるだろう。先週のレポートで指摘した通り、景況感が悪化しているのは製造業のみであり、その製造業に従事している就労者の数は米国民間雇用1億2850万人の1割に過ぎない。製造業の雇用者数の増減はNFPにほとんど影響しない。

米国民間雇用の84%はサービス産業だ。内訳は表1の通り。NFP(total nonfarm)は7万5000人増、民間セクター(total private)では9万人増だった。

表1 NFP内訳(単位:千人)

出所:US BLS

この民間サービス業の雇用者数は、4月は17万人伸びたが5月は8万人程度の伸びに鈍化した(private service-providing, change from, 82 k) 。前月比増加幅の4月対比の減少幅は9万人。この9万人の減少はどのセクターに起因するかというと、教育・ヘルスケアで4万6000人、専門技術サービスで2万9000人、合わせて7万5000人だからサービス業の伸び減少はこの2つのセクターでほぼ説明がつく(グラフ2)。

「前月比増加幅の減少幅」とは、まったくナンセンスな数値の測り方だ。しかし、市場のNFPを見る着眼点が「前月比変化幅」である以上、その「『前月比変化幅』の増減」に目が向くことになる。よってここでも、その着眼点で分析しているが、ナンセンスである。そもそも元が1億5000万人という雇用者数が単月で20万人増えた、7万人しか増えなかった、とか言ってもほとんど誤差の範囲である。

グラフ2 NFP業種別前月比変化幅の4月対比の減少幅

出所:US BLS

教育・ヘルスケアのなかでも最も伸びが減少したのは「社会支援」であり、次は病院などの「ヘルスケア」である。これらのセクターの雇用は景気動向の影響を最も受けにくい。そう考えると、景気悪化で雇用も悪化、というのは間違った因果関係の捉え方である可能性が高い。ましてや、米中貿易戦争→景気悪化→雇用減、という解釈は相当、外れている。

サービス業で最大のセクターはtrade, transportation & utilities でここには卸売りや小売りなどが含まれる。もしも貿易戦争で景気悪化というならこのセクターの雇用が減るはずだが、ここは変わらずである。ポイントは、雇用は減っておらず増えているが伸びが鈍化しているだけということだ。人手不足で雇用を増やしにくいという面もあるだろう。

先月から大きく伸びが鈍化した上記2セクターだが、雇用者の増加数自体は最大である(表1参照)。4月に大きく伸びた反動減で5月は伸びが鈍化したが、それでも米国の雇用を牽引しているセクターである。前月比変化幅だけを見るとこうなる(グラフ3)。この4月と5月の差をとったものが前掲のグラフ2だ。

グラフ3 NFP業種別前月比変化幅

出所:US BLS

今回のNFPの下振れは一時的要因の可能性が高いと思われる。
いずれにせよFEDが7月に利下げを決めるには、もう少し多くのエビデンスを要する。
 

2週間前

減益予想が一転して大幅増益となった銘柄は

4月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表も先月中旬に終了しましたが、日本経済新聞の集計によると前期は自動車や機械などの製造業の苦戦が目立ち純利益が小幅ながら3期ぶりの減益となってしまいました。しかし、こうしたなかでも減益予想ながら一転して増益で着地した銘柄もみられます。

そこで今回はそうした銘柄のなかから営業利益の会社予想は減益だったものの、実績が二桁の大幅な営業増益となった3月決算銘柄をピックアップしてみました。例えばバンダイナムコホールディングス(7832)では微減益を見込んでいましたが、結果は12%増益となったことから決算発表後に目標株価の引き上げが相次いでいます。また、東映(9605)でも小幅な減益予想に対して実績は3割を超す増益となっています。

2週間前

国内債券市況コメント(6月7日)

6月7日の国内債券市場:小幅続落   【債券先物】 債券先物(6月限)は前日比4銭安の153円47銭でスタート。寄り後は弱含みでの推移となったが、日銀オペのオファーを受けて債券先物はプラス圏を回復する動きとなっ

3週間前

マーケットは期待で動く 実際に利下げがあるかは別問題

6月第1週の今週、日経平均はようやく5週ぶりに上昇して終えた。4月は4週連続で上昇、5月に入ると一転して4週連続で下落した。つまり令和に入って初めて週間で上昇したことになる。これで悪い流れが断ち切れると良いが。

グッドニュースもちらほら出てきた。メキシコへの関税の件もそうだが、ブルームバーグが伝えたところによれば、トランプ大統領は、フランスのマクロン仏大統領と会談後、記者団に対し「中国からの輸入品3250億ドル相当に追加関税を課すかどうかに関してG20の後に決断する」と述べた。また、トランプ大統領はFOXニュースとのインタビューで、中国は合意を望んでいるとした上で、双方は「間違いなく」合意に達するだろうと語った、とも報じられている。

彼のことだから、蓋を開けてみるまでどうなるか分からないし、合意といってもどういう合意か ― 交渉継続で合意 ― などもじゅうぶんあり得るだろう。だが、G20が終わればもう7月、すなわち今年も後半戦に入る。いよいよ大統領選の来年まで残り半年、というタイミングでは、中国との貿易戦争には一定の終止符を打って成果を固めたい時期ではないか。だから、G20で米中会談が実現し、通商問題での合意がなされる可能性は低くない。50%以上、あるのではないか。

米国の利下げを織り込む動きが急速に広がってきた。米国のFF金利先物のフォワードカーブはこの1週間で一段と右肩下がりの度合いを強めた。9月までに25bps、そして年末までさらに25bps、年内2回の利下げを織り込んでいる状況だ(グラフ1)。

グラフ1

出所:Bloombergのデータを元にマネックス証券作成


マーケットは少し先走り過ぎのように思える。と、いうのはパウエル議長の発言だって、「貿易戦争などの影響でこの先景気が悪化すれば」、という条件付きの緩和示唆である。以下はFRBのHPに掲載されているシカゴのカンファレンスにおけるパウエル議長の講演の原稿から、当該部分を抜粋したものだ。

I’d like first to say a word about recent developments involving trade negotiations and other matters. We do not know how or when

3週間前

2万円割れに警戒しつつディフェンシブな銘柄選好をしたい局面

GWのトランプ大統領の発言以降世界的な景気停滞が警戒される

日本のゴールデンウィーク中にトランプ大統領が突如中国に対する関税を引き上げると表明し、実際5月10日に関税が引き上げられました。マーケットは米中の交渉がある程度順調に進んでおり、一定の妥結が行われると見込んでいたためネガティブ・サプライズとなり株価は世界的に大きく調整しました。

昨年末から今年の年初にかけておきたような中国発の景気停滞が再び起こるのではないかとの警戒感が強まり、安全資産の代表である米国債が買われて足元の利回りは2.1%程度まで大きく低下しています(グラフ参照)。

                   米国10年債利回りの推移

(出所)Bloombergデータよりマネックス証券作成

世界トップの経済大国である米国と第2位の中国の貿易活動が滞るとなれば、世界経済に影響が出ないはずがありません。グラフに示したように既に米国も中国も製造業景況指数(PMI)は落ち込んできています。今後昨冬に起きたような景気停滞が起きるリスクはかなり高まっていると思われます。

                    米国と中国のPMI推移

(出所)Bloombergデータよりマネックス証券作成

こうした状況を受けFRBのパウエル議長は景気が悪化した場合の対応策として利下げも選択肢に入ることを示し、マーケットを落ち着かせようとしました。米国株はパウエル議長の発言を受け大きく戻しましたが、株価下落の原因は前述したとおり世界的な景気停滞への懸念ですから、その状況の根本である米中の貿易対立が“一定の”解決を見ない限り再び株価が大きく上昇していくシナリオを描くことは難しいと考えます。

“一定の”と書いたのは、そもそも根本的に米中の対立は非常に根深いものであり今後長期間続いていく可能性が高いと考えているからです。そもそもこの対立の根本には経済的にも軍事的にも世界の覇権を握ってきた米国が、その地位を脅かすまでに成長した中国の脅威を少しでも押さえたいと考えているところにあります。そしてこれ以上の中国の台頭を許したくないというのは決してトランプ大統領の独断ではなく、米国議会や米国民の意志です。実際GALLUP社の調査によれば、足元でトランプ大統領の支持率は就任後最高の水準まで上昇しています。米国民も一定程度「中国に物申す大統領」を支持しているということでしょう。

来年に大統領選を控えている中で、トランプ大統領は中国との貿易交渉を自身の支持に結びつけたいという思惑があるはずです。ただ現在は強硬な姿勢を示していますが、一定の妥結が一層の支持に結びつくと判断すればどこかでサプライズを演出しつつ一時的な融和姿勢を示す可能性もあるでしょう。ただ、そのタイミングを正確に予想することは難しく、現在は一段の景気悪化と日経平均が2万円を割り込むような株安に備えてディフェンシブな姿勢を持つべき局面だと考えています。

ディフェンシブな姿勢とは、①現金比率を高めておく②昨年秋から冬にかけて同じような状況にあった際に堅調だった業種を選ぶ③好配当利回りの銘柄にシフトするといったことが考えられます。

昨年末の急落の際に堅調だった業種とは?

昨年の秋口から年末にかけて世界的に株価が急落した際の要因も、世界的な景気停滞への警戒感でした。今回の下落も概ね同じような要因で下落しているので、その時のマーケットの反応は参考にできるはずです。

以下は昨年の高値圏にあった9月末と急落後の12月末を比較した東証33業種の騰落率です。TOPIXが18%近く下落していますので、さすがにすべての業種が下落しています。ただ、空運業、電気・ガス業、陸運業、ゴム製品、食料品、などの業種はTOPIXをアウトパフォームしています。 

 

今回は上記5業種の中から業績が好調で割高感のない銘柄をマネックス銘柄スカウターの10年スクリーニング機能を使って抽出しました。具体的なスクリーニング条件は以下のとおりです。

・東証33業種が「空運業」「電気・ガス業」「陸運業」「ゴム製品」「食料品」のいずれか
・直近四半期の売上高・営業利益が5%以上の増収増益
・今期の会社予想の通期業績も売上高・営業利益が5%以上の増収増益
・予想PERが20倍以下

すると以下の11銘柄が抽出されました。

(出所)マネックス銘柄スカウター

ヒガシマル(2058)、林兼産業(2286)、SBSホールディングス(2384)、和弘食品(2813)、遠州トラック(9057)、日本ロジテム(9060)、丸全昭和運輸(9068)、アジア航測(9233)、東北電力(9506)、イーレックス(9517)、広島ガス(9535)の11銘柄です。

マネックス銘柄スカウターを活用いただくと上記の銘柄のビジネスの概要や業績の推移などをご確認いただけますのでぜひお試しください。

好配当利回りの大手商社への投資も一考の価値あり

続いて好配当利回りの銘柄をご紹介します。同じく銘柄スカウターの10年スクリーニングを使って、「予想配当利回り4%以上」の銘柄を抽出すると、大手商社が特に目に付きます。さらに条件をしぼって業種を「卸売業」「時価総額3000億円以上」とすると以下の6銘柄が抽出されました。

(出所)マネックス銘柄スカウター 予想配当利回りは会社予想の配当予想に基づく予想

住友商事(8053)、丸紅(8002)、双日(2768)、三井物産(8031)、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)の6銘柄です。いずれも名だたる大手商社ですが、いずれも好配当利回りで住友商事にいたっては予想配当利回りが5.6%あります。

大手商社はエネルギー価格の変動が業績に与える影響が大きく、またビジネスが多岐にわたることから業績の予想や分析を行うことが難しく普段のレポートではあまり紹介することはありません。しかし予想配当利回りがこれほどの好水準であれば一定の投資妙味があるのではと考えます。

本レポートが皆様のご参考になれば幸いです。
 

3週間前

先月15日以降に決算を発表した銘柄で目標株価の引き上げがみられる銘柄は

4月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表も先月中旬に終了しましたが、それから3週間以上が経過したことから決算発表終盤に決算を発表した銘柄でもアナリストによる業績や目標株価の見直しも随分と進んだと思われます。そこで今回は5月15日以降に決算を発表したTOPIX500採用の3月期決算銘柄を対象に決算後に複数の目標株価の引き上げがみられるもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。

そのなかでも目標株価の引き上げが目立ったのが光通信(9435)で、前期の営業利益が26%近い大幅な増益となったことに加え、今期の見通しもコンセンサス予想を上回る強気の予想となったこともあって決算発表後に4社が目標株価を引き上げています。また、パーソルホールディングス(2181)やSMC(6273)でも決算発表後に3社が目標株価を引き上げています。

3週間前

国内債券市況コメント(6月6日)

6月6日の国内債券市場:前日の反動から小反落   【債券先物】 前日の海外市場では米長期金利に大きな動きはなく、債券先物(6月限)は前日比4銭高の153円62銭でスタート。寄り後は前日終値を大きく下回って推移す

3週間前

先月14日に決算を発表した銘柄で目標株価の引き上げがみられる銘柄は

4月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表も先月中旬に終了しましたが、それから3週間以上が経過したことから決算発表終盤に決算を発表した銘柄でもアナリストによる業績や目標株価の見直しも随分と進んだと思われます。そこで今回は5月14日に決算を発表したTOPIX500採用の3月期決算銘柄を対象に決算後に複数の目標株価の引き上げがみられるもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。

そのなかでも目標株価の引き上げが目立ったのがリクルートホールディングス(6098)で、会社計画を上回る二桁増益の良好な決算を発表したこともあって決算発表後に5社が目標株価を引き上げています。また、三菱地所(8802)でも3社が目標株価を引き上げたほか、日清製粉グループ本社(2002)と東レ(3402)、西武ホールディングス(9024)でも決算発表後に2社が目標株価を引き上げています。

3週間前

国内債券市況コメント(6月5日)

6月5日の国内債券市場:大幅金利低下   【債券先物】 前日の海外市場では米長期金利が上昇に転じており、債券先物(6月限)も前日比7銭安の153円20銭でスタート。しかし寄付きが本日の安値となり、前場の半ばにか

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